「政府の増上慢が政治制度を風化」

トリッグズ氏、大憲章記念祝典で発言

 6月15日は、ジョン王がマグナ・カルタ(大憲章)に署名した日から800年。国王の絶対的権力に一定の制限を加えた大憲章の主旨はイギリス法体系の中に受け継がれている。この日、ACT最高裁で開かれた特別祝典で講演したジリアン・トリッグズ人権擁護委員長は、「連邦政府の増上慢がオーストラリアの政治制度を風化させている」と発言した。特に、「アボット政権のテロ活動防止法や司法の監視なく無期限に拘留できるとする権限などがその好例」としている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 1215年、厳しい重税にイギリス国内はジョン王対貴族・国民との間で内戦寸前の緊張を迎えたが、勝ち目のないことを悟った王が自ら王権を制限する大憲章に署名した。憲法のないイギリスでは今も大憲章が憲法に代わる法制の一つになっており、その条項の主旨は英法体系諸国だけでなく、世界各国の法律に受け継がれている。

 トリッグズ教授は、「連邦の行政の裁量範囲が膨れあがり、それに対して立法や司法の行政監視権限が縮小されてきている。政府の権力を最優先することが当たり前のようになっている。是正する一つの手段として権利の章典がある。オーストラリアにおいてはフェア・ゴーの理念が権利の章典にもっとも近いものといえる」と語った。

 また、ACT最高裁のリチャード・レフショージ判事は、「大憲章の条文そのものは過去のものになったが、法の支配、絶対制の制限、政府は法と市民の権利および自由の制限を受けるなどの理念は今でも生きている。しかし、権利も自由も不可侵ではない。常に擁護と支援を必要としている。何百年も前にウィリアム・ブラックストンが、『残念ながら大憲章の実体はネズミにかじられてしまった』と語った。私たちは、私たちの怖れ、疎遠感、利己主義、排他性、独りよがりなどのために、政治指導者達がネズミがかじり残した大憲章を滅ぼすことを許してはならない」と語っている。
■ソース
Human Rights Commission president Gillian Triggs says Government ‘overreach’ eroding Australian political system

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