「シリア難民救済対策を進める」と首相

移民相をジュネーブの国連機関に派遣

 9月6日、トニー・アボット連邦首相は、「戦乱のシリアからの難民受入数を増やす用意があるが、難民受け入れ枠を拡大することはしない」と発言した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 シリアのクルド人地域の町、コバネ出身のクルディ一家は、ギリシアからトルコに渡る途中でアイランちゃんが兄弟や母親とともに海に呑まれ、アイランちゃん(3)の遺体がトルコの海岸に流れ着いた。波打ち際に服を着て靴を履いたまま横たわるアイランちゃんの遺体、トルコ警官が優しく遺体を抱きかかえて運ぶ姿は事態の深刻さで世界中に衝撃を与えた。アボット首相は、「違法移民の遭難を防ぐためにはわが政府のような難民船追い返し対策が必要」と発言した。しかし、「連邦政府は難民救済に努力すべきだ」とするマイク・ベアードNSW州首相らと話し合い、シリア難民の枠を拡大することには同意したが、人道移民枠は拡大しないため、他の地域からの難民受入数が減らされることになる。

 また、「前年度、シリアとイラクからの難民受け入れ数を4,400人増やした。また2018年には人道移民枠を現行の13,750人から18,750人に増やす計画だ」と語っている。

 また、ジュネーブの国連難民機関でオーストラリアの協力分野を話し合うため、ピーター・ダットン移民相を派遣した。その他の対策として、難民キャンプで生活している難民への人道援助を増額することも検討する」と語った。

 アンドリュー・ロブ貿易相は、「政府は難民受け入れ枠を拡大することも検討する」と発言したが、ジュリー・ビショップ外相は、「難民受け入れ枠拡大は考えていない。代替案としてシリアやイラクの領内にセーフ・ヘイブン地域を設け、国を離れたくない人々が安全に生活できるようにすることも選択肢としてありえる」と語っており、閣僚の間でも温度差がみられる。また、政府国家安全保障委員会は、今週中に豪空軍によるシリア領内イスラム国占領地への空爆を進めるかを話し合うことになっているが、外交専門家は、「空爆でさらに難民が増えることになる」と危機感を表明している。

 緑の党は、「シリア難民20,000人を直ちに受け入れるべきだ」と発表している。
■ソース
Tony Abbott says Australia will ‘step up’ to help Syria refugees, Peter Dutton to travel to Geneva for UN talks on crisis

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