「レバノン難民を受け入れたフレーザー首相の誤り」

ダットン移民相発言に自由党内部が両極化

 保守連合内右派のピーター・ダットン移民相が、「マルコム・フレーザー自由党連邦首相がレバノン系ムスリム難民をわが国に定着させたのが間違いだ。その難民の二世がテロリストになっている」と発言した。この発言には多文化社会を国是とするオーストラリアの各界から批判が出ており、ダットン大臣と同じ自由党内からも大臣のフレーザー元首相批判が出るに及んで党内からの批判の声が大きくなっている。また、ダットン批判の声を挙げたムスリム議員のアン・アリ労働党議員とその家族に対して殺害強迫が届いており、1996年の極右ポーリン・ハンソン無所属候補当選から、2016年の同候補とハンソン・ワン・ネーション党候補複数の当選など、オーストラリア国内の少数派民族に対する偏見と差別が広がっている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 マルコム・タンブル首相は、ダットン移民相の業績を称賛したが、ダットン大臣のフレーザー政策批判についても発言を擁護した。

 ビル・ショーテン労働党党首が、「ダットン大臣は、どの国のどのグループをオーストラリアに定着させるべきでないと考えているのか?」という問いに対して、「わが国でテロ関係犯罪で起訴された33人のうち、22人がレバノン系ムスリムの2世または3世だ」と答えた。

 11月22日にはトレント・ジマーマン・ノース・シドニー選出議員が保守連合議員会議の席で、ダットン大臣の名前を出さずに、「最近のムスリム移民関係の発言は民族問題を悪化させるだけだ」と発言した。

 豪レバノン・ムスリム協会では、「ダットン発言は、移民社会において、隠微な人種中傷そのものだ」と反発している。一方、レバノン系でもムスリムとは宗教を異にするマロナイト・カソリックのマイケル・スカー自由党議員はダットン発言を支持する発言を行った。ある自由党議員は、「ジマーマン議員は党議員会議の空気を読み損なっている」として、保守連合内で右派が力を持ってきていることを暗に示唆している。

 一方、フレーザー政権で移民相を務めたイアン・マクフィー氏はダットン発言を批判した。
■ソース
Coalition MPs clash over Peter Dutton’s criticism of Lebanese Muslim migrants

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