政府人種差別禁止法修正引っ込める

反テロリスト法制強化に障害取り除く

 連邦政府はジョージ・ブランディス法相が固執していた「人種差別禁止法第18条C項の改定」などを含め、ブランディス法相が「国民には頑迷固陋でいる権利がある」と発言したように、人種差別発言の罰則を緩める修正案を抱えていたが、この修正案は野党労働党、緑の党の他、各民族団体、人権団体などからも反発が出ており、特に保守連合にとっては野党や人権団体などよりも、伯仲選挙区で労働党から獲得した民族系有権者が保守連合離れすることが悩みの種だった。一方、ブランディス法相の背後にはインスティチューション・オブ・パブリク・アフェアズのようなネオ・リベラル系シンクタンクや保守系コメンテータなどしかいない。

 8月5日、トニー・アボット保守連合政権は、有給産児休暇(PPL)に続いて、18条C項廃止修正法案上程を見合わせる意図を明らかにした。ブランディス法相はネオ・リベラル系のような徹底した自由主義ではなく、一方では個人の権利を制限し、国家権力を拡大するイデオロギーも持っており、今回の決定はブランディス法相がメンツを失った格好になった。

 この日、ブランディス法相、ウクライナから戻ったジュリー・ビショップ外相と共に記者会見に現れたアボット首相は、「我が国は、海外に出かけ、戦乱に参加する国民がオーストラリアに帰って過激派活動することを阻止しなければならない。そのためには、ムスリム系国民との関係を困難にするブランディス法案をリーダー措置で廃案にした。我が国の統一を乱すことは何ごとも避けなければならない」と語っている。

 ブランディス法相は、「今後は国家治安機関の財源と法的権限を強化する計画を進めていく」と語っており、連邦警察(AFP)、諜報機関のASIOとASIS、税関国境警備部などの権限を強めると共に今後4年間に6億3,000万ドルの追加予算を計上するとしている。

 さらに、「現在、国民の160人が中東でテロリスト・グループで戦闘に加わったり、グループを支援したりしている。今後、そのような個人を突き止め、起訴し、処罰することを簡単にしていく。たとえば、正当な理由なく海外の特定の地域にいくことを犯罪とするなどの措置を計画している」と語った。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-05/government-backtracks-on-racial-discrimination-act-changes/5650030

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