「イスラム・リーダーを攻撃するな」

国内諜報機関局長が政府批判

 トニー・アボット保守連合連邦政権の反テロリズム法では、中東の特定国を訪れた者は、中東滞在中にテロ活動に加わっていなかったという挙証責任を負わされる。通常の刑事訴訟法では検事側が、「当人が犯罪行為に加担した」ことを立証しなければならない。「テロ活動に加わらなかった」ことを証明することは通常人には至難の業である。一部のイスラム団体リーダーが、「反テロ法はイスラム教徒に不当に厳しい」として、アボット首相との協議をボイコットした。これに対してアボット首相は、「ボイコットした者は狭量(pettiness)で馬鹿(foolish)だ」と発言した。一国の首相が自国民を「狭量で馬鹿」と呼ぶのもすさまじいが、8月27日には、国内諜報機関局長が、「イスラム団体リーダーを攻撃するべきではない。むしろ、彼らに感謝すべきだ」と発言、事実上アボット首相を批判している。

 8月27日、キャンベラのナショナル・プレス・クラブで講演したデビッド・アーバインASIO局長は、「ムスリム・リーダーは国内ムスリム社会の過激派対策を十分に行っていない」という批判に反論し、「ムスリム・リーダーは感謝されこそすれ、批判されるべきではない」と発言した。

 また、新国家治安法支持を訴え、「テロ、スパイいずれも深刻な脅威ではあるが、機関が必要な権限を得れば対応できる」と語っている。また、そのために現行の情報治安権限のチェック・アンド・バランスを大幅に変更する必要はないとして、現在、「諜報機関が通信メタデータを閲覧するためには令状取得を義務づけるべきだ」という意見に反論している。

 また、8月26日の保守連合議員会議で、一部の議員が、「アボット首相は一部のムスリム団体を話し合いに引き入れるべきではない」と発言しており、一部のムスリム団体を疎外するように提案している。アーバイン局長の発言はこれらの議員も批判の対象としているものと了解されている。

 また、ジュリー・ビショップ外相はアメリカのジョン・ケリー国務長官とも話し合い、シリア、イラク北部のイスラム国家対策や同地域でイスラム国家から生命の安全も脅かされ、避難している人々に対する人道援助についても対策を協議している。(NP)

http://www.smh.com.au/federal-politics/political-news/dont-attack-islamic-leaders-asio-boss-20140827-3edeq.html

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る