ウィットラム元連邦首相(98)、死去

「国家の理想」を掲げた最後の政治家

 10月21日午前、ゴフ・ウィットラム元連邦首相の家族が、「父、ゴフ・ウィットラムが今朝、98歳で死去した」と発表した。

 ウィットラム氏は1972年の労働党政権樹立から1975年11月11日にジョン・カー連邦総督に罷免されるまでのわずかな期間にそれまでの英領階級社会的雰囲気を残していたオーストラリアの社会改革に挑んだ。結局、その社会政策は歳出の膨張を招き、連邦議会で野党自由党が予算案支持を停止したことで財政的に行き詰まり、自由党の働きかけを受けたカー連邦総督が政府を罷免するという前代未聞の行動に出た。今でも、保守派はウィットラム政権を「財政失策」の好例としており、進歩派はウィットラム氏をオーストラリア最大の政治的英雄と考えている。しかし、ウィットラム政権が実現した様々な社会政策はその後、保守連合政権になっても維持されている。

 保守派のトニー・アボット連邦首相は、「ゴフ・ウィットラム氏は時代の巨人。労働党の団結を実現し、2度の選挙を勝ち抜いた。様々な意味で豪傑肌の人物だった」と述べている。また、ウィットラム氏の衣鉢を継ぐビル・ショーテン労働党党首は、「ウィットラム氏はオーストラリアの特徴を造り替え、多くの人々の生活を改善するために働いた。今日この日、労働党は巨人を失った。また個々の政治的立場を問わず、オーストラリアの伝説的人物を失った。彼は豪史に前代未聞の政権罷免という連邦総督の行為を受けた。どんな国家指導者もこれを恨みにするのは普通だが、彼はそれをしなかった。ウィットラム氏は寛容を擁護し、民主主義を擁護した」と語っている。

 ウィットラム政権罷免後にカー連邦総督により政権に就いたマルコム・フレーザー氏は、「ウィットラム氏は強敵だったが、同時に二人は共通の価値観を持っていた。オーストラリアを世界の舞台で独立国家とすることを望んでいたし、オーストラリアをさらに発展させることを望んでいた。彼の熱意は大きかったし、彼のおかげで現代のオーストラリアははるかに豊かになっている」と語っている。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-10-21/former-prime-minister-gough-whitlam-dies/5828836

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