「一部のキャットフードはネコに有害」

シドニー大学獣医学部の研究論文

 シドニー大学獣医学部の研究で、一般市販のキャットフードの中にはネコの健康を害するものがあることが明らかにされた。しかし、発表された論文でメーカー名称が抹消されており、獣医学部の研究がペットフード企業の資金でまかなわれており、両者の癒着が問題になり始めている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 査読の上で「Australian Veterinary Journal」に掲載された研究論文によると、スーパーマーケットとペットショップで購入したキャットフード銘柄20種を試験した結果、8種類がオーストラリアの栄養基準に達していなかったとされている。また、9種が、「分析保証」表示に関してオーストラリアの基準に準拠していなかった。栄養基準に達しなかった8種の商品は、成猫にとってはタンパク質および脂肪が多すぎるか少なすぎるかのどちらかだった。

 しかも、論文著者、大学、Australian Veterinary Journalのいずれも基準に外れた商品の銘柄を明らかにする意図がないことを表明している。一方、問題の銘柄公開はネコの飼い主だけでなく、年額20億ドルにもなるペットフード業界も銘柄を公開するよう要求している。

 「Australian Veterinary Journal」のアン・ジャクソン編集長は、「この研究はまだ中間報告的なものであり、さらに大規模な公式追試で確認されるまで信頼できない」として、銘柄を公開することが不適切という根拠を挙げている。

 しかし、ペットフード業界を批判しているシドニーのトム・ロンズデール獣医師は、「シドニー大学は、研究室でかなりの時間と資金を使って研究し、査読まで行った上で発表したのだから、研究結果が真正なものだという自信があったのだろう。今更、自分たちの研究の質が悪いなどと言い逃れするのは荒唐無稽だ。獣医は動物にとって何が安全なのかを知っていなければならない」と批判している。また、マードック大学のネコ科研究で高い評価を得ているスー・フォスター非常勤上級講師は、「研究方法が完全なら、私なら銘柄名を公表しないでおく正当な理由が考えられない。動物の福利よりも企業名を保護するというのは獣医師にとって懸念される事態だ」と語っている。
■ソース
Some supermarket cat food brands may cause ‘severe illness’, study finds

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る