「ケーン・トードの毒で前立腺がん治療」

漢方薬にヒントを得たQLD大学の研究

 ケーン・トードは南米産のオオヒキガエルで、他のヒキガエル同様、耳腺から毒液を出す。漢方薬ではこの毒液を乾燥した固めた物を蟾酥(せんそ)と呼んでおり、強心、血圧降下、血管拡張、胃液分泌抑制、局所麻痺、消炎などの効能があり、日本薬局方で毒薬に指定されている。

 QLD大学の研究チームがこの毒液を前立腺がん治療に使う研究を進めていると報道された。

 ハレンドラ・パレク博士は、「学生が、このケーン・トードの毒性分がアジア系のヒキガエルのそれと似ていることを突き止めた。ヒキガエルの毒は漢方薬のチャン・ス(せんそ、蟾酥)として何千年にもわたって用いられてきた」と述べており、ジン・ジン博士が博士号研究中にケーン・トードの毒液ががん細胞、特に前立腺がんの細胞を殺し、しかも健康な細胞には手をつけないことを突き止めたことを明らかにしている。

 ただし、毒液は生の形では毒性が強く、しかも水溶性の形でないと使いにくいため、研究の現段階はこの毒液の毒性分の水溶性を高めつつ、毒性を抑えることを目標としており、それができれば、最新水準の生化学的な運搬方法を使って薬剤をがん細胞に送り届ける研究に移る。

 ジン・ジン博士は漢方薬剤師の家系で、「中国では需要過剰と環境汚染のためにヒキガエルの数が激減している。しかし、オーストラリアのケーン・トードは害獣に指定されている上、膨大な個体数があり、しかも環境も汚染されていない。また、オーストラリアから中国に輸出するようになれば蟾酥のコストも大幅に下がるはず」と語っている。

 今後1年から1年半以内にスクリーニングと研究を始めたいとしており、パレカ博士は、「21世紀という時代に合わせた漢方薬で、欧米でも市場性があると思う」と述べている。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-09-17/cane-toad-venom-attacks-cancer-cells/5750114

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