科学産業研究機構の組織的危機

予算不足で科学者会議も欠席

 連邦科学産業研究機構(CSIRO)は数々の発明を成し遂げており、航空機のブラックボックスのように世界的な標準になっているものも数多くある。一方、現トニー・アボット保守連合は政権樹立後省名から科学を外し、気候変動関係機関を縮小廃止するなど、科学に対して異様に敵対的な態度が目立っている。

 12月に入って、連邦政府のCSIRO予算削減から研究者の解雇や研究プロジェクトの統廃合が伝えられている。4日には、CSIROのノーベル賞受賞候補も人員整理の対象に入っており、無給で研究を続けている苦境が報道された。

 CSIROは予算不足から研究者を会議に送ることもできず、士気阻喪が激しい惨状になっていると伝えられている。予算は1億1,500万ドル削られ、組織再編が行われているため、今後2年間で20%の職員が解雇されることになっている。ある中心的な研究者は、「連邦政府は、研究開発機関の運営には特有の条件が必要なことを理解していない。どんな公共部門も同じと考えているとしか思われない。2万ドルを超える出張は産業大臣執務室の認可が必要と言われた」と語っている。20年間務めているある科学者は、「2つの国際会議出席の認可申請が資金以外の理由で却下された。海外の研究者と話し合うことが難しくなっている」と証言している。CSIRO職員互助会のアンソニー・キーナン・スポークスマンは、「環境条件の悪化で士気は極端に阻喪している。研究の扱いに不満がたまっており、大学などの研究機関への転職準備を始めている者も多い」と語っている。

 CSIRO側のスポークスマンは、「士気阻喪などの危機には気づいている。しかし、国際会議への出張を切り詰めなければならない状況になっている。外から出張資金がでる場合にはこの制限はないが、それでも、出張許可には目的やCSIROの目的や利益にかなうことが条件であることに変わりない」と述べている。

 研究職員は、「最近、組織再編でオープン・スペース・オフィスに移ったが、一日中電話をかけなければならない部署と静かな環境が必要な研究職員が同じオフィス・スペースに詰め込まれている。そのため、無音のヘッドフォンを着用している者もいるし、メインの研究作業は自宅でという者もいる」と述べている。

 さらに、最近、内部で行われた意見調査でも「転職を真剣に考えている」という声が30%にも達している。単に組織の破壊にとどまらず、国内応用化学の再編と考えられると述べている。

http://www.abc.net.au/news/2014-12-05/staff-morale-at-rock-bottom-at-csiro/5934222

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