熱戦スディルマン・カップ② 日本堂々の1位通過、準々決勝へ

相手は、またまたマレーシア!準々決勝へ

 スディルマン・カップ2017を戦う日本は5月24日、予選グループの第2戦で強敵マレーシアに3-2で競り勝ち1位通過で予選グループを突破、決勝進出を決めた。4カ国あるシード国の1つとして臨んだ決勝トーナメントの組み合わせ抽選の結果、準々決勝ではマレーシアとの再戦(26日正午)が決まった。

 以下では、予選グループのドイツ戦(21日)、マレーシア戦(24日)の熱戦と大会の盛り上がりの様子を豊富な写真と共に振り返る。

ドイツ戦の試合開始前、円陣を組んで気勢を上げる日本チーム

ドイツ戦の試合開始前、円陣を組んで気勢を上げる日本チーム

 5月21日、スディルマン・カップの初戦をドイツと戦った日本。格下で組みやすしと見たドイツ戦ではあったが、国際大会の初戦ということもあり、まさかの取りこぼしが無いように万全な体制で臨んだ。

引き締まった表情で試合に臨む園田/嘉村ペア

引き締まった表情で試合に臨む園田/嘉村ペア

 第1試合の男子ダブルスには世界ランキング6位の園田啓悟/嘉村健士ペアが登場。第2セットに相手の粘りに少し手を焼いたが、終わってみればストレートの完勝。

 続く女子シングルス。ここを任されたのは、世界ランキング10位でリオ五輪の銅メダリストの奥原希望。こちらも若い相手に格の違いを見せつけつつの圧勝。これで日本が2戦先勝と早々に勝利へリーチを掛けた。

 今回の日本チームの弱点とされる男子シングルス。ここでは、初めての大会となる西本拳太が登場。格上の相手に苦戦を強いられる展開で、なかなか思うようにプレーが出来ずに、度々、天を仰いで首を傾げる西本。第2ゲームは粘りを見せて食らいつくが及ばず、日本の2-1となった勝敗の行方は女子ダブルスへと持ち越された。

コーチのアドバイスに頷く奥原希望。危なげない勝利でチームに貢献した

コーチのアドバイスに頷く奥原希望。危なげない勝利でチームに貢献した

何度も何度も首を傾げながらのプレーとなった西本。納得の出来には遠かった

何度も何度も首を傾げながらのプレーとなった西本。納得の出来には遠かった

 満を持して登場したのが、高橋礼華、松友美佐紀のリオ五輪の金メダルペア。日本が世界に誇る“タカマツ”ペアは全く危なげなくストレートで勝利。これで3戦先勝の日本が、初戦の勝利を確定させた。

 予選リーグに関しては、勝利が確定しても予定されている残りの試合も行うレギュレーション。最後に登場した混合ダブルスの数野健太/栗原文音ペアは、ファイナルにもつれる試合をしっかりものにして、完勝に華を添えた。

危なげない勝利で悠々と引き上げる“タカマツ”ペア

危なげない勝利で悠々と引き上げる“タカマツ”ペア

成熟のコンビネーションできっちりと勝利を収めた数野健太/栗原文音ペア

成熟のコンビネーションできっちりと勝利を収めた数野健太/栗原文音ペア

 24日、迎えた強敵マレーシアとの決戦。大勢のマレーシア・サポーターの大声援に揺れるアリーナ。数には劣ったが、日の丸を掲げて声を張り上げる日本応援団。隣でもインドネシア対デンマークの熱戦を控えて、試合前から会場のボルテージは最高潮。

日本の完勝モードに日系コミュニティの応援団のボルテージも上がった

日本の完勝モードに日系コミュニティの応援団のボルテージも上がった

 そんな雰囲気の中で、日本の先陣を切ったのは、男子ダブルス園田啓悟/嘉村健士ペア。実力拮抗の相手ペアに第1ゲームを取られるも、常に声を掛け合いながら、徐々にペースを上げて第2、第3ゲームを連取。ドイツ戦に続いて先鋒の役目をしっかり果たしてチームに勢いを与えた。

きっちりと先方の役目をはたして汗をぬぐう園田啓悟/嘉村健士ペア

きっちりと先方の役目をはたして汗をぬぐう園田啓悟/嘉村健士ペア

園田啓悟 試合後のコメント

「本当に今日のこのマレーシア戦に向けてしっかりと準備してきたので、こうやってしっかり勝つことができて良かった。優勝を目指して、チーム一丸となって頑張っていくので、応援よろしくお願いします」

嘉村健士 試合後のコメント

「団体のトップ・バッターとして、勝ってチームに勢いを与えることが出来て本当に良かった。ベンチの出てない選手の応援も含めて、会場の皆さんがしっかり応援してくれて、本当に力になるし、絶対勝たないといけないっていう思いがギラギラ湧いてくる。(今後の試合でも)本当に熱い試合をチーム全体がやってくれるので、キャプテンの自分からのお願いです、応援よろしくお願いします!」


 続く女子シングルスには、ドイツ戦の奥原希望に代わって山口茜が起用された。第1ゲームをあっさりと先取するも、第2ゲームは相手に合わせてしまって、少しもたつきを見せる。それでも実力差は明らかで、山口がストレートで勝利。日本が2戦先勝となり、グループ・リーグ1位通過確定まであと1つとした。

山口茜 試合後のコメント

「日本代表としての団体戦は今年の1月以来で、『世界』という緊張感と自分にとっては初戦だったこともあって試合前は少し緊張した。それでも試合が始まってしまえば、落ち着いて、あまり急がずに先手を取りながらラリーが出来たんのではないか。第2ゲームは少し相手のリズムに合わせてしまった。団体戦の1勝としては良かったと思う」

 大事な一戦の男子シングルスを任されたのは、現役大学生(中央大4年)の五十嵐優。立ち上がりから、自身の「小学生のころからの憧れの存在」という世界ランキング1位のマレーシアのレジェンドであるリーに力の差を見せつけられる。本人が試合後に「何も通用しなかった」と語った試合は、経験や実力の差はいかんともしがたく、ストレートでの完敗。この結果を受けて2-1となり、日本の勝敗の行方は初戦同様、世界の“タカマツ”ペアに委ねられることになった。

相手に格の違いを見せつけた山口茜

相手に格の違いを見せつけた山口茜

憧れの存在との対戦を振り返る五十嵐優。この経験を糧に成長を期す

憧れの存在との対戦を振り返る五十嵐優。この経験を糧に成長を期す

五十嵐優 試合後のコメント

「(この試合に)出られるかもしれないと聞いていたので、自分でもきちんと準備してきたが、少しかがもあって思うような練習ができなかった。それでも、今出来る最大限の準備はしてきた。(相手がリーと聞いて)もちろん日本代表として強い相手と戦うことに対しての不安もあったが、小学校の時から憧れていた相手と試合ができるワクワクした気持ちの方が強かった。(対戦してみたら)全てにおいて、相手の方が上で、自分の何も通用しなかった。しかし、もう少しコートの中で出来ることもあったと思うので、少しやりきれない気持ち。せっかく多くの日本のファンの方に応援をしてもらったのに不甲斐ない結果で申し訳ない」

 そして、日本応援団の期待を背にコートに姿を現した高橋礼華/松友美佐紀ペア。今まで対戦したことが無いという未知の相手、世界ランキング25位のチョー/リーペアとの対戦。第1ゲームは相手の粘りもあって、団体戦での大事なところで初対戦の相手と戦うことに「焦りがあった」と話すのは高橋。相手ににじり寄られるシーンも見られたが、終わってみれば相手をストレートでねじ伏せて、日本の“真打”ペアが貫禄勝ち。これで、3戦先勝した日本は、予選リーグ首位通過を決めた。

やや手こずった感もあるが、最後は貫禄の勝利のタカマツ

やや手こずった感もあるが、最後は貫禄の勝利のタカマツ

“タカマツ”ペア 試合後のコメント

高橋「今回、対戦したペアとは初めての対戦で、団体戦で初めての相手との対戦ということで、自分の中で少し焦りはあった。早く決めたいという気持ちが強過ぎて、あまりうまくプレー出来ていなかった」

松友「相手がイケイケで来ることは分かっていたので、その中で自分がどれだけリズムを保てるか、自分のリズムを作っていこうと思ってやった。相手は、一生懸命拾って、一生懸命打つっていう感じの頑張るタイプという印象」

高橋「団体戦では、自分たちは最後の方に試合をするので、自分も試合があるからといって応援をセーブするとかじゃなくて、1試合目から本当に声を枯らすくらい応援している。本当に、試合に出てない選手もしっかりサポートしてくれているし、試合に出てる選手もしっかり頑張っているし、チームの雰囲気は出場国の中でもナンバーワンじゃないですかね(笑)」

松友「今日も日本人の方もたくさん来ていただいているし、頑張れという声とかもしっかり聞こえていて、本当に心強い」

 この試合のトリを飾ったのが、混合ダブルスの若さと爆発力の渡辺勇大/東野有紗ペア。第1ゲームは世界ランキング上位の相手ペアに押し切られてしまうが、開き直った第2ゲームをきっちり取り返す。ファイナル・ゲームにもつれこんだ後も、一進一退の攻防が続く。本人たちも「何としても勝ちたかった」と試合後に話した激戦では、日本ペアに勝利の女神は微笑まなかったが、若い彼らには大きな糧となった試合だろう。

若さと勢いの渡辺勇大/東野有紗ペア。今後の戦いのカギを握る存在になるのかも

若さと勢いの渡辺勇大/東野有紗ペア。今後の戦いのカギを握る存在になるのかも

渡辺/東野ペア 試合後のコメント

渡辺「いやー、本当に惜しかった! 勝ちは決まっていて、2-2で自分たちで決まるとかっていう状況じゃない分、気持ちは楽だったので、とにかく勝ちたかった。プレッシャーに負けたというよりは、(試合には)負けてはしまったが、自分たちのプレーが出来たことの方が大きい」

東野「サーブであったり、サーブの次が大事なのに3ゲーム目の大事なところでそういうミスが出てしまったのが、最後の結果につながってしまった」

決勝トーナメントへの意気込み

渡辺「チームが勝って1位通過ってのは大きいので、優勝に向けてチームとしても僕ら自身も勢いを持って、応援を力にしながら団体戦らしく戦っていければと思う(チームの雰囲気は)最高です。日本、良いですね。日本の方の応援もノリが良くて力になっている」」

東野「混合ダブルスはとても大事なところで戦うので、もし、次も出してもらえるのならばしっかり勝てるように準備していきたい」

大会役員がシードの日本の相手として、マレーシアを引き当てた瞬間。熱戦の再現に、会場では驚きの声が上がった

大会役員がシードの日本の相手として、マレーシアを引き当てた瞬間。熱戦の再現に、会場では驚きの声が上がった

 悲願の金メダルへの最初の大きな関門マレーシアを3-2で下した日本。次戦の相手は、「4分の1」の確率で引き合わされてのマレーシアとの再戦と決まった。

 24日の試合会場はマレーシア応援団の方が優勢だったが、26日はぜひ、ゴールドコースト、ブリスベンの邦人の皆様に、大挙、日の丸を掲げて会場に押し寄せて頂きたい。選手たちもそれを強く願っている。

 チケットはこちら(Web: www.ticketek.com.au)から。

 日本の予選グループ2戦の試合結果は以下の通り。

〇日本 4ー1 ドイツ●

男子複:園田啓悟/嘉村健士(WR6) 2(21-12、21-19)0 Mark Lamsfuss/Marvin Emil Seidel(WR68)
女子単:奥原希望(WR10) 2(21-10、21-5)0 Yvonne Li(WR95)
男子単:西本拳太(WR61) 0(8-21、18-21)2 Marc Zwiebler(WR20)
女子複:髙橋礼華/松友美佐紀(WR1) 2(21-11、21-6)0 Linda Efler/Lara Kaepplein(WR不詳)
混合複:数野健太/栗原文音(WR13) 2(21-17、13-21、21-16)1 Mark Lamsfuss/Isabel Hertrich(WR33)

〇日本 3―2  マレーシア●

男子複:園田啓悟/嘉村健士(WR6) 2(18-21、21-17、21-16)1 GOH V Shem/TAN Wee Kiong(WR )
女子単:山口茜(WR3) 2(21-6、21-17)0 GOH Jin Wei(WR30)
男子単:五十嵐優(WR102) 0(8‐21、5-21)2 LEE Chong Wei(WR1)
女子複:髙橋礼華/松友美佐紀(WR1) 2(21-17、21-18)0 CHOW Mei Kuan/LEE Meng Yean (WR25)
混合複:渡辺勇大/東野有紗(WR22) 2(21-17、13-21、21-16)1 TAN Kian Meng /LAI Pei Jing(WR11)

取材・文・写真=植松久隆 Taka Uematsu(本紙特約記者・ライター)

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