スティーブン・マーシャルSA州首相

政界こぼれ話人物編 その209

スティーブン・マーシャルSA州首相

自由党のスティーブン・マーシャルSA州首相は1968年1月21日に、SA州の州都アデレードで誕生している(50歳)。実家は年商1,500万ドルほどの家具の製造ビジネスを営んでいた。地元のSA工科大学(注:現SA大学)を卒業後、英国のダーハム大学で経営学修士号(MBA)を取得。1997年には父親が引退し、マーシャルが家具ビジネスの経営を引き継いだ。

ちなみに同ビジネスは、身障者の積極的雇用などによって表彰されている。ところが、廉価な輸入家具に押されて、結局、2001年にマーシャルは同社の売却を余儀なくされた。その後もマーシャルは、SA州のビジネス界で企業幹部として活躍している。

州政界や連邦政界で重要な地位に就いた政治家の多くは、若いころから政治活動を開始し、政治家を目指していた者が多いが、その点でマーシャルはやや異色と言える。すなわち、10年3月のSA州選挙で初当選を果たす直前までのマーシャルは、政治家になるとの強い願望は持ち合わせていなかったと言える。ただ心から愛する地元のSA州が、歴代労働党州政権の失政で「斜陽州」となったことに対し、強い憤りを抱いていた。そのため、友人の勧めもあって、自ら政界入りしてSA州を変革しようと決意した次第である。

政界でも早々に頭角を顕し、11年12月には産業や貿易、小ビジネス等を担当する影の閣僚に抜擢されている。また12年10月にはSA野党自由党の副リーダー、そして初当選から3年に満たない13年2月には同リーダーに就任している。しかも、リーダーとしては初陣であった翌14年3月のSA州選挙では、労働党のウェザール州首相を相手に大いに善戦している(注:選挙直後には「ハング・パーラメント」となり、与党労働党は無所属議員の支持で何とか政権の維持に成功)。

ただ余談だが、同選挙の前日にマーシャルは、誤って有権者に労働党への投票を訴えるという舌禍(ぜっか)事件を起こし、失笑を買っている。それからちょうど4年間が経過した今年の3月17日には、SA州選挙が実施されたが、マーシャルは州下院で単独過半数を制して見事雪辱を果たし、第46代目のSA州首相に就任し、現在に至っている。

思想、信条だが、長らくビジネス界で活躍したこともあって、経済分野では市場競争原理を信奉する経済合理主義者である。マーシャルは今回の州選挙の実施前に、「自由党政権発足後100日間の計画」を明らかにしていたが、その中の重要政策も、例えば零細・小ビジネスを対象とする給与税の廃止や、店舗営業時間規制の撤廃といったものとなっている。

他方で、マーシャルは経済一辺倒の政治家では決してなく、上述したように、政界入りする前から身障者問題に熱心であったし、また先住民問題にも重大な関心を寄せてきた。

家族であるが、細君であったスーとは離婚している。スーとの間に1男1女がいる。

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