サクラホテル/ホステル「違うからうれしい」

世界中から毎年約110カ国のゲストが訪れるという、東京のサクラホテル。ここでは毎日国際色豊かな光景が広がっている。そこで本コラムでは、このサクラホテルのスタッフたちが、ユニークなゲストたちやエピソードをご紹介。

サクラホテル/ホステルとは?
「世界中の人びとが出会い、お互いに理解し合う場を作りたい」をモットーに、創業以来、海外からのゲストに東京での滞在先を提供。姉妹会社のサクラハウスでは、短期から長期滞在の人向けにドミトリー、シェア・ハウス、アパート、町家スタイルのバケーション・レンタルなども案内している。

違うからうれしい

雨がパラつくある夜の遅い時間帯、「やっと着いたわ」と20代のオーストラリア人女性がチェックインのためフロントに。髪がしっとり濡れていることに気付き、「傘を持っていなかったの?」と尋ねると、「オーストラリアではこれぐらいの雨なら傘をさす人なんてあまりいないわ」とのこと。「それにしても渋谷のスクランブル交差点での傘が行き交う光景はきれいだった」と雨の東京の印象を興奮気味に彼女は語りました。フロントでのちょっとした会話の中から異文化を感じた瞬間でした。

フロントにいると、そうしたちょっとした習慣や物事の捉え方・見方の違いを感じることが多く、ゲストとの会話はとても刺激的です。

異文化を感じる一方で、親近感がぐっと湧く瞬間もあります。

それは外国人ゲストの話す日本語です。日本語と言っても会話レベルの話ではなく、ちょっとしたあいさつや簡単な表現の話です。チェックイン時、英語で客室案内・説明をしている時に「はい」と日本語で頷(うなず)かれることがしばしばあります。そんな時、すかさず「もしかして日本語が分かるのですか?」と尋ねると、恥ずかし気に「少ししか分かりません」とたどたどしくも日本語で答えてくれることがよくあります。

オーストラリア土産(コアラのミニぬいぐるみ)をフロントに持ってきてくれたゲスト
オーストラリア土産(コアラのミニぬいぐるみ)をフロントに持ってきてくれたゲスト

特にオーストラリアからのゲストは日本語で話そうとする人が多い印象があります。聞けば小学校で日本語の授業があったとか。オーストラリアには日本語の授業に力を入れている地域・学校があるようです。フロントでの彼らのやり取りは、英語を話さない日本人が、中学校の英語の授業を思い出しながら単語を並べて何かを伝えようとしているのに近い状況でしょうか。

オーストラリア人というと、大らかでのんびりしたイメージに加え、雨の日の歩き方1つ取っても日本人とは気質が異なり、文化的な距離感を感じますが、不思議と親近感が湧きやすい人が多いのもオーストラリア人のような気がします。

私はオーストラリアへの渡航経験はなく、特に思い入れがあるわけではないのですが、フロントで覚えるオーストラリア人への親近感は、そんな言葉の力だとつくづく思います。違いがあるから、小さな共通項(日本語)の発見がうれしいのでしょうか。1つうれしい発見があると、もっと発見したくなる。もっと話してみよう!フロントではそんな好奇心の連続です。
里一人(サクラホテル神保町)

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