第63回シドニー・フィルム・フェスティバル上映作品18選(6/8~19)


今年も冬の風物詩「シドニー・フィルム・フェスティバル」が6月8~19日に開催される。今年で63回目を迎える同映画祭は、60カ国から出品された長編、短編、ドキュメンタリー、アニメなど244本の作品が、シドニー市内の映画館や劇場で上映。このうち12本は、国際映画製作者連盟公認のコンペティション作品で、審査員によって大賞に選ばれた作品が最終日に発表される。また、今年は『東京物語』(1953年公開)や『牡蠣工場』(2015年公開)などの日本映画も上映されるので要注目だ。本特集では編集部が選んだ18作品をご紹介。詳しくは公式ウェブサイトをチェックしよう。(写真提供:Sydney Film Festival)

INFORMATION

Sydney Film Festival

期間: 2015年6月8日(水)~19日(日)
時間: 上映プログラムはウェブサイトを参照
会場: イベント・シネマズ(ジョージ・ストリート)、ステート・シアター、デンディ・オペラ・キーズ・シネマ、NSW州立美術館、ヘイデン・オピューム・ピクチャー・パレス(クレモーン)、スカイライン・ドライブイン(ブラックタウン)他
料金: シングル・チケット大人$19.90、コンセッション$17、10 枚綴り(Flexi10)$155、20枚綴り(Flixi20)$280、30枚綴り(Flixi30)$375、オープニング・ナイトなど特別イベントは別料金
購入: オンライン(下記サイトから)、電話(1300 -733-733)。期間中は上映会場窓口でも購入可
※上映作品の大半が18歳以上指定

公式ウェブサイト:www.sff.org.au

★オープニング&クロージング作品★

Goldstoneオープニング・ナイト

豪(2016)、アイヴァン・セン監督

失踪した人物を追って金山の街にたどり着いたアボリジニーの探偵ジェイと、飲酒運転で彼を逮捕した地元の白人警官ジョシュ。ジェイの泊まる宿が銃撃を受けた時、この地で起きている重大な問題が明るみに出始める……。資源と街と地元カウンシルを支配する犯罪や腐敗に、バックグラウンドの異なる2人が衝突しながらも立ち向かうシリアスなサスペンス。舞台となる豪州の雄大な自然も必見。

8日(水)7:30PM ステート・シアター
11日(土)2:30PM ステート・シアター他

Love & Friendshipクロージング・ナイト

アイルランド・仏・蘭(2016)、ホイット・スティルマン監督

『高慢と偏見』や『エマ』などの名作で知られるイギリスの文豪ジェイン・オースティンの短編小説『レディ・スーザン』が映画化。1790年代を舞台に、16歳の娘を持つ35歳の美しい未亡人レディ・スーザンが、その美貌によって周囲の男性たちを虜にし、社交界で影響力を強めていく。スーザン役をケイト・ベッキンセールが、その親友アリシア役をクロエ・セビニーが演じる。

19日(日)7:30PM ステート・シアター
19日(日)8:30PM ヘイデン・オピューム・クレモーン

★注目のアジア映画★

東京物語(Tokyo Story)

日本(1953)、小津安二郎監督

舞台は戦後、昭和の日本。子どもたちを訪ねて尾道から上京した周吉と妻・とみを通して、老いや死、家族の絆が冷静な視点で描かれる。戦死した次男の妻役・原節子のみずみずしい演技も光る。監督の小津安二郎は、アメリカ映画『明日は来らず』(レオ・マッケリー監督)に影響を受け制作したと言われ、東洋・西洋の家族観の違いにも注目。国内外で高評価を受けた名作をこの機会にぜひ。

8日(水)6PM  デンディ・オペラ・キーズ・シネマ1

牡蠣工場(Oyster Factory)

日本(2015)、想田和弘監督

瀬戸内海に面した岡山県牛窓。過疎化が進み、かつて20軒近くあった牡蠣工場も今では6軒に。ある工場では人手不足のため中国人労働者を雇うも、言葉や文化の違いに直面する。グローバリズムや少子高齢化問題など、田舎町の牡蠣工場で働く人びとの日常から、現代の日本が抱えるさまざまな問題が浮かび上がってきた。想田監督が見た日本の「現在(いま)」と「未来」とは――。

12日(日)3PM  イベント・シネマズ(George St. 8)
18日(土)12:20PM イベント・シネマズ(George St. 9)

Tharlo

中国(2015)、ペマ・ツェテン監督

チベットに住む40歳過ぎの羊飼いの男タルロは、孤児として育ち正確な名前や年齢も分からない。彼はある日、警察署で身分証明書の申請するため、町までバイクで向かう。顔写真を撮る前に、乱れきった長髪を整えるため理髪店へ。そこで彼の髪を丹念に洗ってくれた若い女性店員が、羊飼いとして生きてきた彼の人生を大きく変えることになる。全編モノクロ映像とタルロの寡黙なたたずまいが印象的。

8日(水)6:10PM デンディ・オペラ・キーズ・シネマ3
12日(日)2:15PM デンディ・オペラ・キーズ・シネマ2

Stateless Things

韓国(2011)、キム・ギョンムク監督

ソウルのガソリン・スタンドで懸命に働く脱北者の青年チュンと少女スンヒ。アルバイト先の経営者からは不法残留者と見破られ、こき使われていた。ある日、経営者の悪徳な行為に激怒したチュンは、彼を殴ってスンヒと2人で逃げることに。しかし2人はまもなく居場所を突き止められる。スンヒと引き離されたチュンは1人、男娼として生きていくことになる――。

18日(土)1:25PM デンディ・オペラ・キーズ・シネマ3

★編集部厳選! お薦めの12作品★

Maggie’s Plan

米(2015)、レベッカ・ミラー監督

ニューヨークを舞台に、子どもを持ちたいと考える30代のヒロイン(グレタ・ガーウィグ)が、エキセントリックで風変わりな妻(ジュリアン・ムーア)を持つ学者(イーサン・ホーク)と出会い、恋に落ちる。三角関係を軸にそれぞれのキャラクターの関係をコミカルに描く。

11日(土)9:15PM ステート・シアター
18日(土)4PM ヘイデン・オピューム・クレモーン

Demolition

米(2015)、ジャン=マルク・ヴァレ監督

投資銀行家のデービスは、最愛の妻を不慮の交通事故で失う。それをきっかけに車販売会社へ苦情の手紙を送り始める彼だったが、カスタマー担当のカレンに出会う。彼女とその息子の助けを借りながら、彼はこれまでの人生を『demolition(解体)』することで再生を図る。

13日(月)8:30PM ステート・シアター
15日(水)8:15PM ヘイデン・オピューム・クレモーン他

Sing Street

アイルランド(2016)、ジョン・カーニー監督

舞台は1980年代のダブリン。14歳の少年コナーは崩壊した家庭から目を背けるように、仲間と共にバンドを結成し、音楽活動に没頭。ミステリアスでクールな女性と恋に落ち、彼女にバンドのミュージック・ビデオに出演してもらおうと奮起する、甘酸っぱい青春ストーリー。

18日(土)6:20PM ステート・シアター
19日(日)1PM イベント・シネマズ(George St. 4)

Mustang

仏(2015)、ドゥニズ・ガムゼ・エルグヴァン監督

トルコ北部の小さな村で、祖母と伯父の家に住む5人姉妹は学校から帰宅後、自宅に幽閉される。長女レールがお見合い相手と結婚させられそうになり、これに反抗する姉妹たちが、自由を求めて戦う決意をする。15年のカンヌ映画祭の監督週間でヨーロッパ映画賞を受賞した衝撃作。

9日(木)8:30PM ヘイデン・オピューム・クレモーン
11日(土)1:30PM イベント・シネマズ(George St. 4)

Everybody Wants Some!!

米(2016)、リチャード・リンクレーター監督

1980年代のテキサスで、主人公ジェイクや野球部の新入生たちのキャンパス・ライフを面白おかしく描いた青春映画。同作はリンクレーター氏の監督作で大ヒットを記録した青春コメディー映画『バッド・チューニング』(93年)の「精神的」な続編。懐かしの80′ s音楽にも注目。

12日(日)9:15PM ステート・シアター
18日(土)7PM イベント・シネマズ(George St. 4)

Francofonia

仏・独・露(2015)、アレクサンドル・ソクーロフ監督

第2次世界大戦中、ナチス占領下にあったルーブル美術館で、膨大かつ至宝のコレクションを守った2人の男がいた。1人はルーブル美術館長、もう1人は占領側のドイツ人将校。政治的に対立する立場ながら、「文化遺産を守る」という信念の基、彼らは通じ合っていく――。

11日(土)4PM ヘイデン・オピューム・クレモーン
14日(火)4PM ステート・シアター他

A Girl in the River: The Price of Forgiveness

パキスタン(2015)、シャーミーン・オベイド=チノイ監督

名誉殺人事件に巻き込まれながらも奇跡的に死を免れた、あるパキスタン女性を描いた短編映画。同国では毎年、一族の「名誉」を守るという理由で、罪のない女性が多数殺害されている。回顧録を通じパキスタン女性の悲惨な現状を訴える。

12日(日)6:30PM デンディ・オペラ・キーズ・シネマ2

The Commune

デンマーク(2016)、トマス・ヴィンターベア監督

1970年代のデンマーク・コペンハーゲンを舞台に、自由を求めて自宅にコミューン(共同体)を作ったある夫婦の物語。志を同じくする仲間たちとのコミューンでの共同生活は完璧なものに思えたが、情事におぼれる夫をはじめ、共同体の人間関係に徐々に亀裂が走っていく。

11日(土)11AM イベント・シネマズ(George St. 4)
14日(火)6:15PM ヘイデン・オピューム・クレモーン

Under the Shadow

英・ヨルダン・カタール(2016)、ババック・アンヴァリ監督

1988年、イラン・イラク戦争は8年目に突入した。娘のドルサと2人でテヘランに暮らすシャイデの家に不発弾が落ちる。その衝撃でドルサは病気にかかり、奇怪な行動を起こす。ある日霊感の強い隣人に、呪われた不発弾が悪霊のジンを運んできたのではないかと聞かされて――。

10日(金)9PM イベント・シネマズ(George St. 8)
18日(土)6:15PM デンディ・ニュータウン・シネマ

Sunset Song

英・ルクセンブルク(2015)、テレンス・デービス監督

スコットランド北東部に住む貧しい農夫の娘、クリス・ガスリー。母を亡くし、酒に酔って暴力を振るう父親に支配され育ち、ひいては徴兵された新婚の夫も戦死するなど、さまざまな困難が彼女を襲う。だが逆境の中、残された農場や家族を支えるため、人生に果敢に立ち向かっていく。

8日(水)6:30PM ヘイデン・オピューム・クレモーン
15日(水)8:15PM イベント・シネマズ(George St. 4)

No Home Movie

ベルギー・仏(2015)、シャンタル・アケルマン監督

ユダヤ人のナタリアは、15歳でアウシュビッツ強制収容所に送られる。戦後、ディアスポラ(離散の民)としてベルギーで暮らしてきたが、自らのホロコースト体験について話すことはなかった。壮絶な時代を生き抜いた母の人生に、監督自らが焦点を当てて追っていくドキュメンタリー。

12日(日)10:30AM イベント・シネマズ(George St. 8)
18日(土)11AM デンディ・オペラ・キーズ・シネマ3

Morris From America

米・独(2016)、チャド・ハーティガン監督

主人公モリスは13歳のアフリカ系アメリカ人。父カーティスの仕事の関係で、アメリカからドイツのハイデルベルクに引っ越して来た。歴史ある街だが人種的な多様性はなく、モリスは新生活になじめない。だが、同世代の女の子カトリンに恋をしたモリスは徐々に自我が芽生えていく。

16日(木)8:35PM イベント・シネマズ(George St. 9)
17日(金)6PM イベント・シネマズ(George St. 8)

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