ヨーロッパ紀行スペイン編 いざ、情熱の大地スペインへ

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ヨーロッパ紀行スペイン編
いざ、情熱の大地スペインへ

1つ山脈(ピレネー)を越えただけで、ワインの世界がこんなにも違うとは、ただ驚くばかりだ。あちこち旅をして何度も見てきたように、地理と気候がぶどうの品種とその成長パターンを決定する。その次は、ぶどう栽培者や醸造家の発想力と努力だと言える。

ヴィノ・デ・エスパーニャといえば、皆さんは何を思い出すかな?カヴァ、テンプラニーリョ、ミゲール・トレス、リオハ、シェリーだろうか。僕のスペインのイメージは巨大で、暑く、乾燥している国だ。それに伴ってワインは赤で力強い、ということになるだろう。テンプラニーリョや、ブッシュ・ヴァイン(茂み形のブドウの木)のガルナッチャ(グルナッシュ)の広大なぶどう畑が、果てしなく広がっているのが頭に浮かぶ。驚くのは、ほとんどのぶどう園が、僕たちが訪れた有名なフランスのワイン地方よりも標高が高い所にあることだ。やはり、夏は暑く、干ばつが起きる。やっと最近、灌漑が可能になった。

スペインはワイン造りの長い歴史がある。シェリー酒は南のアンダルシア地方で数千年前から造られていた証拠がある。しかし対照的に、スペインがワイン造りに再び目覚めたのは、ここ20〜25年のことだ。古いぶどう園は復活し、伝統的な品種が新たに見直された。そして、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンのような「他所」のぶどうが、ちょっとした足掛かりを得ている。リベラ・デル・ドゥエロ地方はそのいい例だ。今でこそ、老舗リオハのティント・フィノ(テンプラニーリョ)と同じぐらい有名になったが、それは90年代に入ってからのことだ。

そのうち、いくつか新しい地方に探検しに行くとして、まずは最初に絶対に外せないリオハから行こう。リオハ・ワインの歴史は、ローマ人、ムーア人の侵略、2度の世界大戦、フィロキセラによる害虫被害など、スペインの歴史そのものを辿るものでもある。リオハの地理的な話をすると、いかに類まれな地域かが分かる。大西洋からの風を遮るシエラ・カンタブリア山脈は雨陰を作り、高度と合わさることでリオハの栽培条件を作っている。エブロ川はリオハ地方を蛇行しながら流れ、その両側にブドウ畑が広がっている。

リオハは赤ワインで良く知られ、ほとんどがテンプラニーリョとガルナッチャのブレンドで、成熟すると素晴らしい味になるワインが多い。ワインの成熟度は4つのカテゴリー、ホベン(若い)、クリアンサ(オーク樽で最低1年)、リゼルバ(最低3年程成熟)、グラン・リゼルバ(最低5年成熟)に分けられる。

さて、次はどこへいこうかな。カヴァなんかはどうだろう?

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ベン・ホルト
◎ヒルトン・ワールドワイド・マーケティング統括本部長(日本・韓国・ミクロネシア地区担当)。QLD大学で文学修士(日本語と韓国語)ならびに科学修士を取得後、在豪日系企業などで食品輸出、商品取引、マーケティングに従事。2002年~07年にオーストラリア・ワイン事務局日本代表、12年5月までオーストラリア政府観光局日本地区マーケティング本部長を務めた後、現職。

Web: www.holt-blog.com
Twitter: Mr_Riesling
www.facebook.com/Ben.Holt.69
 

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