生活スタイルは変わらず家庭も円満。なのに疲れやすいのはなぜですか

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医療

Q

最近、疲れやすいように感じます。特に生活環境が変わったり、ストレスが増えたわけでもなく、家族関係も円満です。気になる症状などはないのですが、何かの病気ではないかと心配です。どのような医師に掛かれば良いのでしょうか。(41歳女性=2児の母親)

A

医学的に疲労、倦怠感というのは、休憩や休養を取っても持続する疲労感のことを言います。知らぬ間に徐々に進んでいく場合と、何かはっきりとしたイベントがきっかけとなって表れる場合もあり、日常生活にかなり影響することもあります。

精神的、社会心理的な原因、ライフスタイルの変化、あるいは器質性疾患(機能障害、特に心因性のものとは対照的に、体の組織または器官に解剖学的、病態生理学的な変化が起こる疾病)など、広範囲な要因の可能性があります。診察や、あらゆる検査をしても検査結果は正常で、最終的に原因不明なこともよくあります。

危険信号

疲労感、倦怠感に伴って、以下のような症状がある場合は器質性疾患が原因であることが多いので、慎重に検査を進める必要があります。

  • 高齢者で、以前健康だった人に最近疲労感が出た場合
  • 説明できない体重減少
  • 不正出血
  • 息切れ
  • 原因がはっきりとしないリンパ節の腫れ
  • 発熱
  • 以前からある病気(循環器、消化器、神経系など)の症状の悪化

原因不明の疲労感が解消しない場合

一通りの検査をして器質性疾患の可能性が低く、特に気になるような新しい症状が表れない場合は、経過観察するしかありません。何か大事な診断を見落としていないか、あるいは慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome/CFS)が疑われる場合は、専門医の意見を聞いてみることも選択肢の1つです。

CFSの診断には、ただ疲労感が続くだけではなく、以下の条件のうち4つ以上満たさないとその定義に当てはまりません。

  • 肉体的活動後の倦怠感が24時間以上続く
  • 睡眠後のすっきり感がない
  • 記憶力、集中力の減退
  • 筋肉や関節の痛み
  • 頭痛
  • 首や脇の下のリンパ節の痛み
  • のどの痛み

CFSはまだ謎に包まれた疾患で、診断を確定できる検査もなく、立証された治療法もまだありません。また、もう1つ考えられることに睡眠無呼吸があるので、睡眠検査をしてみることも大事です。

疲労感が続く時に試してみること

  • 栄養バランスの取れた健康的な食事を規則正しく摂る
  • 規則正しい生活をし、きちんと睡眠を取る
  • アルコールやカフェインの摂取を控え目にする
  • 定期的に適度な運動をする
  • ヨガやタイチーなどでリラックスする時間を作る
  • 精神的に不安定だったり、うつ状態の場合は医師と相談する

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・メディカル・プラクティス

メルボルン大学医学部卒業。Northbridge Family Clinicを昨年閉院し、現在Northbridge Medical Practiceで診療中

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