フィジオセラピストに聞こう!/頭痛 VS 偏頭痛

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第80回 頭痛 VS 偏頭痛

偏頭痛持ちの人によく言われることがあります。「いつもの偏頭痛と違う頭痛があります。だから服用している薬が効かない」、そして「これは、おそらく肩凝りから来ていると思う」と。

頭痛と偏頭痛は違うのか

目まぐるしく進歩する医学の世界ですが、現在世界中で使用されている頭痛の診断区分は1888年に設定されたものが基本になっています。しかし頭痛に処方される薬は日々進化しています。効果的に薬を使用するためには正確な診断が必須です。また、頭痛学会では毎年6つ程新種の頭痛が発表され、今では300種以上の頭痛が存在すると言われています。新種の頭痛の中には「ポニーテール頭痛」「チューインガム頭痛」「シャンプー頭痛」など、細分化された頭痛が多数あります。このような多様な症状の頭痛を引き起こすことができるのは脳以外にあり得ません。つまり、ある特定のメカニズムにより頭痛が引き起こされ、300種を超えるさまざまな末端症状が表れると考えられます。偏頭痛、頸椎(けいつい)性頭痛、緊張性頭痛、女性のホルモン性頭痛なども根本的なメカニズムは同じであると考えられます。

頸椎の機能低下が原因

脳の中でも特に延髄と呼ばれる脳幹の下部が、そのすぐ下にある上部頸椎(C1-3)の機能低下により過敏になり、頭痛を引き起こしていると考えられています。上部頸椎の機能低下は、「長時間の下を向いての作業」「左右のどちらかを向くことが多い」など、偏った姿勢を取っている時間が長いことや事故などで鞭(むち)打ちになったことが原因で起こります。

よって、頸椎の機能を治療とリハビリで改善することで過敏になっていた脳の感度を正常に戻し、症状を改善・解消することができます。薬による対処の指示を受け、緩和治療しか存在していないと思い込まれている人が大勢いらっしゃいます。頸椎を治療することで、慢性化していた頭痛でも大幅に改善することが可能です。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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