フィジオセラピストに聞こう!/食べ物をきっかけに起こる頭痛

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第81回 食べ物をきっかけに起こる頭痛

先月号でお伝えした通り300種以上ある頭痛の中でも、特に一般的なのが偏頭痛です。

偏頭痛の引き金は人によってさまざまですが、今回は食べ物によって起こる場合をご紹介します。よく知られているのは、チーズや赤ワイン、チョコレート、そしてビールをきっかけとした場合です。一般的にこれらのケースは純粋に食べ物の成分が頭痛を引き起こすとは考えづらく、長期間にわたり姿勢が悪く頸椎(けいつい)に多大な負荷が掛かっていたことが主因であると考えられます。

こうした背景があって、食べ物に含まれるある物質が引き金となり延髄が過敏に反応し頭痛が起こります。頭痛の引き金となり得る食べ物には個人差があり、その中のどの成分かまではなかなか特定できないのが現実です。食べ物に含まれている特定不可能な物質を避けることはできません。

反対に、「コーヒーやお茶、コーラを飲まないと頭痛が起こる」というケースもあります。週末の朝だけ原因不明の頭痛が起きる、という人はいませんか? 月曜日から金曜日は毎朝コーヒーを飲んでいるが、週末の朝はゆっくり寝ているので飲んでいない、もしくは飲む時間が遅くなる。そうすると頭痛に襲われる……。これはコーヒーやお茶に含まれるカフェインが原因で、普段と比べると週末のカフェイン摂取量が格段に少なくなるためだと考えられます。いつもはカフェインで半ば強制的に血管を拡げ血流を増やしているのに、週末になると体内のカフェインが少量で、脳に上がる血流が少ないために頭痛が起きると考えられています。頭痛が怖く、カフェインの摂取量が次第に増えていく、というのは悪循環の始まりです。


「姿勢を正しましょう」

具体的には耳の穴と肩が垂直に保てるようにインナー・マッスルや背中の筋力を強化し、体の柔軟性を改善しましょう。また、フィジオセラピーでは左右、前後にずれてしまった頸椎を正しい位置に戻し、周辺筋肉の緊張を解くことで、過敏な状態の延髄を通常の状態に回復させ頭痛を改善します。加えて1人ひとりに合ったエクササイズを処方することで頭痛の完治、予防を目指します。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る