フィジオセラピストに聞こう!/頸椎性のめまい

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第82回 頸椎性のめまい

6月、7月号の本コラムで紹介した、姿勢の悪化がもたらす頸椎(けいつい)機能の低下が原因で起こる頭痛に続いて、とても一般的な症状に「めまい」が挙げられます。

めまいは、人びとが病院などの医療機関を訪れる理由の第3位であると言われるほど、よく訴えられる症状です。脳や耳鼻科など、いろいろな検査を受けたもののどこも悪くないと言われたが、めまいを確実に感じている。このような場合、「頸椎性のめまい」である疑いがあります。

※こうした診断に至るまでに、まずは医師の診察や検査を受け、脳、三半規管、血圧などに異常がないことを確認することが絶対条件です。

姿勢の悪さから来る頸椎の機能低下は深刻です。これによって脳幹下部の延髄が過敏になり、三半規管から送られてくるバランスに関する情報が、延髄で大げさに変換され大脳に伝えられてしまうのです。そうすると、「体が傾いている」「バランスが崩れている」と脳は誤解してしまい、めまいが起きてしまうのです。

頸椎性のめまいの場合、ある特定の動きや状況下でめまいが発生するという特徴があります。きっかけとなる動き自体は、人によってさまざまですが、「下を向くとめまいがする」「首を横に傾けるとふらふら感じる」などです。

フィジオセラピーの治療が効果的かどうかは、頸椎を治療することによって普段めまいになるような行動をしてみても、めまいが緩和されたり発症しなくなったりすることで分かります。また、最初の4~5回の治療で改善傾向にあることが大切です。この改善傾向があれば、時間が掛かったとしても、めまいは次第に解決します。

完治までに要する時間には個人差がありますが、薬による対処療法ではなく根本治療であることには変わりなく、根本治療を選択した人の場合再発することがあっても、2回目は対処法が分かっているので心配する必要はありません。

頸椎性のめまいと言っても、鞭打ちなどの事故の場合は予防できませんが、姿勢の悪化が原因なのであれば、姿勢を日々意識することが最大の予防策になりますね。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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