フィジオセラピストに聞こう!/緊張性頭痛

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第83回 緊張性頭痛

6月号からさまざまな頭痛をご紹介してきましたが、今回は上部頸椎(けいつい)の機能低下により発症する緊張性頭痛についてお話ししたいと思います。

症状

緊張性頭痛は、両側の側頭部にぎゅっと締め付けられるような痛みを感じるというケースが多く、よく「孫悟空の頭の輪っかがぎゅっと締まったような痛み」と表現されます。

また、こめかみ付近に感じる頭痛も緊張性頭痛の典型的な症状です。痛みの強度は強い人から比較的弱めな人までさまざまですが、持続期間は長く、何か特定の動作によって痛みが緩和したり悪化したりというパターンがありません。

側頭部の頭痛に伴う症状として、音恐怖症(軽度の場合は雑音に過敏になったり)や光恐怖症(軽度の場合は光に過敏になる)を併発することがあります。これらには耳栓やサングラスを使用して対処することが可能ですが、社会生活に不便をきたしたり社交性の低下につながる場合もあります。

特に、「音や光が怖くなる」という症状が緊張性頭痛の一部として起こるということを知らずに過ごしていると、このような症状を感じた場合に、とても不安になります。

関連痛、関連症状も頭痛の一部?

側頭部の頭痛と共に併発する症状に、ほほから顎関節(がくかんせつ)にかけて生じる何とも言えない重さやだるさ、耳の閉塞感、耳鳴りなどもあります。一番困っている症状が側頭部の頭痛であれば、フィジオセラピーに行こうと連想することもできますが、それ以外の症状が最も不安だと感じる場合は、なかなかフィジオセラピーに行く、という選択肢が思い浮かばないかもしれません。

ほほや顎関節の症状では歯科医、耳の症状では耳鼻咽喉科(じびいんこうか)などを受診し、どちらも異常なしと診断されたが症状が続いている、という人がかなりいらっしゃいます。これらの症状を抱えている人は、症状を自覚してからフィジオセラピーを受診するまで非常に長い期間、痛みや不快感を我慢しています。これらの症状を持っている人たちも一度フィジオセラピーを受診してみることをお勧めします。

治療方法

根本治療としては姿勢を改善し、上部頸椎の機能改善が有効です。フィジオセラピーでは個人の体格と姿勢、生活習慣などを分析し、モビライゼーションやマッサージなどで直接頸椎を正しい位置に戻したり、最も効果のある運動療法を処方することで痛みの軽減、再発の予防に努めます。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る