糖尿病の予防

ドクター印藤の「ここがツボ」

第32回 糖尿病の予防

糖尿病は古くて新しい病です。古来、東洋では消渇(のどが渇いて大量の水を飲む)、西欧では多尿病として認められていました。患者数は現在世界で約1億8,000万人、日本でも700万人にのぼり、まだ増加傾向にある世界10大疾病の1つといわれています。

糖尿病のうち1型は、膵臓内のインスリン分泌細胞の破壊によってインスリン枯渇が起こり高血糖になるものです。また2型は、インスリンは分泌されていても肥満などによって、インスリンの効きが悪くなっている状態を言います。この2型が糖尿病の95パーセントほどと推定されます。

自覚症状も比較的少なく、のどの渇きや目のかすみ、手先足先の痺れなどといった苦痛を感じることが少ない病気のため、深刻さを感じない場合も多いようです。しかし血中糖度の上昇によって血液の粘性が上昇し、末梢血管の循環障害による網膜症や、神経障害が起こりやすくなること、肝臓、腎臓、卵巣などのがんリスクが上昇することなどが知られるようになり、さまざまな成人病への橋渡しとなる病気と認識されています。

正常な血糖値は、空腹時100、随時血糖で140(mg/dl、※1)以下です。境界型ではそれぞれ125、200、ヘモグロビンA1c6.5パーセント(※2)で、これ以上が糖尿病です。問題は高齢化によりインスリン分泌能力は衰えるため、放置すれば病状は深刻化することです。

糖尿病の治療は通常、運動と食事療法、そして慢性化した場合は薬物療法が必要となります。薬に頼らず、セルフ・ケアが可能な状態に保つためには、細胞組織の代謝を活性化させ、循環障害を予防できる指圧が大変お勧めです。東洋医学的に糖尿病(消渇)は、肝と脾それに胃三焦の臓腑経脈が関係します。内臓機能も低下していることが多いため、全身の機能調節する意識を持つことも大切でしょう。目の異常や、足のしびれなどの自覚症状のある人は、本コラムの過去記事もぜひ参考にしてみてください。

※1:1デシリットルあたりのミリグラム数
※2:ヘモグロビン・エー・ワン・シー値

曲池:ヒジを深く曲げ、肘窩(ちゅうか)横紋の外端を探ると上腕骨の外側上顆を触れ、押すと響く所
足三里:ヒザを立てて、脛骨の前面外側を指で押し上げると指の止まる所。強圧すれば響く
三陰交:内踝(うちくるぶし)の上際から3横指上方。脛骨の後ろ際
太衝:足の第1、2趾(中足骨)間の後端。拍動を触れる所
脾兪:腎兪の直上約4横指
腎兪:肋骨下端の線と腰椎との交点から外側2横指
大横:側腹部、臍の外方4横指。乳腺上
腹哀:大横穴の直上3横指

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

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