HECS-HELPとCSP

日本とは異なる教育システムに戸惑うママ&パパの疑問・質問に専門家がズバリお答えします。

 

HECS-HELPとCSP

 

Q: 12年生の息子がいます。今年HSCを受けるのですが、オーストラリアでは学費を免除するなどの奨学金制度はありますか?

はい、あります。2005年以前から住んでいらっしゃる方々には、「HECS(ヘックス)」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃることでしょう。06年からはHECSから「HECS – HELP」という名称に代わり、内容も少々変更されました。奨学金の制度には「Commonwealth Supported Place(CSP)」と「HECS-HELP」があり、それぞれ基準がありますので、1つずつ説明します。

CSPは、オーストラリアかニュージーランドの市民権保持者、または永住権を持ち、在学中オーストラリアで暮らしている人が対象です。ほとんどの公立大学と一部の私立大学やそのほかの高等教育機関で利用できます。どのくらい援助が受けられるかは、「Student Contribution Band」という表にあるフルタイムでの科目ごとにかかる授業料と「EFTSL Value」という指数で計算することができます。

EFTSL Valueは、進学する大学か在住州の大学入試センター(NSW州はUAC=University Admission Centre)のウェブサイトに掲載されています。CPSは奨学金と違い、ディスカウントされた授業料を全額前もって支払わなければなりません。

HECSの対象者には、以前永住権保持者も含まれていましたが、改正後のHECS-HELPの受給対象者は、オーストラリア市民権またはヒューマニタリアン・ビザ保持者のみとなっており、タックス・ファイル・ナンバー(TFN)を持っていなければなりません。このHECS – HELPが、いわゆる日本でいう奨学金制度に相当するもので、就職後年間収入が4万9,095ドル以上になったら返済しなければなりません。

HECS – HELP利用対象者であればローンに上限はなく、CSPとHECS – HELPを組み合わせて利用できます。CSPでディスカウントされた金額をHECS – HELPを利用して卒業後に返済するのです。もし、授業料を前もって500ドル以上支払うと、全体の10%がさらにディスカウントされます。また、数学、科学、教育、看護学、幼児教育などの学部生には、「HECS HELP Benefit」といってさらなるディスカウントがあります。詳しくは大学にお問い合わせください。

CSPもHECS–HELPも申し込み手続きは「Request for Commonwealth Support and HECS – HELP form」に必要事項を記入し、入学先の大学に大学が指定した期限までにTFNと一緒にフォームを提出します。TFNを持っていない場合は、申し込み期限までにオーストラリア国税庁(ATO)に申し込んで取得、または申し込みをしたという証明書(Certificate of Application for a TFN)を添付しなければなりません。

大学が始まると、大学から送られてくる「CAN(Commonwealth Assistance Notice)」で、借りている金額や返済額など詳細をチェックすることができます。


内野尚子(うちのなおこ)

プロフィル◎96年よりシドニー在住。11年間ローカルの幼児教育機関で教師「Authorized Supervisor」を務める。元日本語補習校代表兼教師。幼児から大人のための総合教育センター「Universal Kids(旧子どもクラブ)www.universalkids.com.au」の代表。NPO日豪教育サポート・グループを通して在豪日本人のための現地教育のシラバスやバイリンガル教育の情報共有に努めている

 

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