チームによって生き生きとしてくる「音」 ピアニスト 上原彩子さんインタビュー


チームによって生き生きとしてくる「音」
17年ぶり豪州公演

ピアニスト 上原彩子

2000年7月に開催されたシドニー国際ピアノ・コンクールで第2位を始め、多数の賞を獲得したピアニスト上原彩子さんが17年ぶりにオーストラリアにやって来る。初めての長期海外生活の地・シドニーへの思いと、当時の感動を語ってくれた。(インタビュー・構成=木下かをり)

初めての海外生活、オーストラリア

――2000年7月、シドニー国際ピアノ・コンクールで第2位及びピープルズ・チョイス賞、オーストラリア人作品賞、室内楽賞、ショパン賞など輝かしい経歴を引っさげ、今回17年ぶりの来豪となりました。今の心境をお聞かせください。


当時のシドニーでのコンクール、そしてその後のオーストラリア国内でのコンサート・ツアーは、本当に楽しかったです。外国にあれだけ長く滞在したのは初めてだったので、新しい経験ばかりで、毎日が刺激的で、楽しくてしょうがない日々でした。だから、私にとって、オーストラリアは大好きな国で、そこにまた戻れることが、幸せです。オーストラリアの開放的な自然が大好きです。

――今回はパース、メルボルン、シドニーと3カ所での公演を予定されていますが、オーストラリア滞在で楽しみにしていることは何ですか?また、1番思い入れの深い地域はどちらですか。

シドニーのコンクール後のコンサート・ツアーの間、シドニーに滞在している時はホームステイをしていたのですが、今回その時のホスト・ファミリーと会えることになっているので、それが1番楽しみです。その家族とは、一緒にご飯を作ったり、公園に行ったり、ブルー・マウンテンに連れて行ってもらったり、本当に楽しく過ごさせてもらいました。思い入れの深い場所は、やはりシドニーです。パースは初めてです。

――海外公演も非常に多くこなされていますが、語学はもともと得意なのでしょうか。語学に対しての不安を抱えた読者も多いと思いますが。

語学は苦手です……。いつも、まあなんとかなっている程度で……。今は、子どもと週1回英会話スクールに通っています。

舞台上での圧倒的なパフォーマンス

――世界各地の著名なオーケストラとの共演を重ねているとのことですが、1番印象的だった公演と、そのエピソードを教えてください。

シドニーのコンクールの本選で、モーツァルトのコンチェルトを弾く課題があるのですが、その時一緒に弾いたのが、クリストファー・ホグウッドとオーストラリア・チェンバー・オーケストラでした。あの時の感動は一生忘れられません。オーケストラのチームによって、こんなにモーツァルトって生き生きしてくるんだと驚きました。他の演奏者たちと「この経験が出来たというだけでシドニーに来たかいがあったね」と話していました。

――同じ楽曲を何回も弾くという状況で、常に自身を100パーセント表現するための集中力は計り知れないものだと思います。どのように気持ちを切り替えて毎公演演奏しているのですか。

舞台の上でしか得られない感情の波や空気感などがあって、それはその日のお客様やホールによってまた違うものです。舞台で弾いている限りその違いを大切に、そして敏感に感じて弾いていこうと心掛けています。それによって、毎回フレッシュさも生まれてくるのだと思います。

母としての顔

――ご結婚後、出産もされ現在は3児の母ということですが、母親とピアニストとの両立が難しいと感じたことはありますか。また、両立する上で上原さん自身が心掛けているコツがあれば教えてください。

子どもと過ごす時間は、自分にとって気分転換だと思っています。子どもとリラックスして遊ぶことで、ピアノにもまた集中出来ると感じてます。

――出産後、ご自身に生まれた変化などはありますか。

短時間で最短コースで練習出来るノウハウを身に付けることが出来たと思います。それまでは、1日中練習していました。また子供が出来て人間としての幅も広がったと感じています。それが自然に音楽にも出ているといいなと思っています。

――今後挑戦していきたいと考えていることはありますか。ピアノの分野はもちろん、プライベートでもあれば教えてください。

今は東京に住んでいますが、いつかヨーロッパに住んで活動出来たらと思います。

――海外で夢に挑戦する日本人に向けて、メッセージをお願いします。

日本人の素晴らしさを、どんどん世界に発信していって頂けたら、うれしいです!


■うえはら·あやこ:プロフィル
ピアニスト。1980年7月30日生まれ、34歳。香川県出身。3歳児のコースからヤマハ音楽教室に入会。2000年7月、シドニー国際ピアノコンクールにて第2位及びピープルズ・チョイス賞、オーストラリア人作品賞、室内楽賞、ショパン賞等各賞を受賞し、02年には第12回チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門で女性として、また日本人として史上初、ピアノ部門で初の第1位に輝くなど、国内外で活躍。今回17年ぶりの来豪を果たす。

公演情報

<40周年記念国際リサイタル・シリーズ>
40th Anniversary National Recital Series

■WEB: www.sydneypianocompetition.com.au/2017-touring/ayako-uehara-june
■ 会場:メルボルン公演 St Johns Southgate 20 City Rd., Melbourne VIC/シドニー公演 Eugene Goossens Hall, ABC Centre 700 Harris St., Ultimo NSW
■日時:メルボルン公演 6月5日(月)、シドニー公演 6月6日(火)7:30PM~
■料金:大人$55、コンセッション$49、学生$20
■Tel: (02)9241-3291
■Email: info@sydneypianocompetition.com.au

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