当たり前のこと/福島先生の人生日々勉強

福島先生の人生日々勉強

当たり前のこと

1年の終わりに、「今年は成長できただろうか」「自分に何ができただろうか」と、その年を振り返ることがありますね。

時には、悔やまれることばかりのように思えることもあるでしょう。なかったことにできないと思うほど、落ち込んでいる人もいるかもしれません。

しかし、こうして今日も命があります。本当は、何があろうと、命を頂いているだけで十分に恵まれていて、ありがたいのです。ですから、苦悩するより感謝を選んだ方が幸せです。

失敗は誰でもあることですし、何をやっても不調に終わるというような時期もあります。

しかし、悪事でない限り、失敗も不調も着実な1歩です。失敗しないと分からないと言いますが、しくじって初めて、足元をしっかりと見ることができ、そこから新たな歩みが始まるのです。

私たちが本当に恐れなければならないのは、失敗ではなく、悪行です。「諸悪莫作(しょあくまくさ)、衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)」という教えがありますが、「諸悪莫作」とは、諸々の悪をなすなかれ、「衆善奉行」とは、諸々の善きことを行え、という意味です。この後に、「自浄其意(じじょうごい)」……と続くのですが、すなわち、「悪いことはせず、善いことをして、自ら心を浄(きよ)めましょう」ということです。

もちろんその通りであり、よく分かっているばずなのですが、分かっているということと、実際に行うことは別です。そして、それが簡単で当たり前のことであればあるほど、人はついおろそかにしてしまいます。

悪いことをせず、善いことをせよ。あまりにも当然すぎて、気が抜けてしまうほどですが、かつて幼いころには善悪を知らず、日常生活の中で教わり、絶えず学んでいました。

しかし、この幼き日々の学びですら当然に得ていたために、大人になってもなお、その重大さに気付けないことが多いのです。子どもに善悪を教えることで改めて大人がそれに気付かされるというような幸運もありますが、そうした機会にいつも恵まれるというわけでもありません。

日々の暮らしの中で、当たり前のことだからこそ、常に心掛け、常に行い続ける、ということが大切なのです。

真実は日常の中にあります。しかし、その真実は、実際に行われなければ、真実にはなりません。

1日の終わりに、1年の終わりに、今のありのままの自分に問いかけてみましょう。口先ではなく、今の自分はどうなのか、自分は何をしているのか。

大切なのは、言葉ではなくて、実行です。

新しい1日がまた始まります。どうぞ日常の1歩1歩を大切にお過ごしください。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。33年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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