花のある生活「Tsubo つぼ」

 花のある生活─ flower in life ─

第8回:Tsubo つぼ

アブラドウダンを大木に釘打ちし固定させ、グロリオーサをあしらう
アブラドウダンを大木に釘打ちし固定させ、グロリオーサをあしらう

こんにちは。いけばな講師をしていますYoshimiです。皆さん、つぼを使っていけばなをされたことはありますか。私は先日、久しぶりに帰省した実家で埃を被った幾つかのつぼを見つけました。ただ床の間の端っこに飾ってあったり、納戸に置いてあるだけに過ぎないつぼです。そもそもつぼとはどのような形状の物をいうのかご存知ですか。個人でイメージする物は違っているかもしれないですが、つぼとは一般的に口が細くつぼまり、胴が丸く膨らんだ形の器と定義されています。私たちの流派ではもう少し具体的に、「拳が入る以上の口径があり、胴が口径の約1.5倍以上ある器」をつぼと呼ぶ目安にしています。つぼに接する機会は、他の花器に比べると数少ないかもしれません。

日豪の花を融合させたつぼいけの作品、竹を組み大きく空間を作った作品
日豪の花を融合させたつぼいけの作品、竹を組み大きく空間を作った作品

日本には、ナナカマド、ドウダンツツジ、ニシキギなど風情豊かな枝物がたくさんあり、このように表情のある枝物を魅せるために、日本では昔から花をいけてきたのだと言っても過言ではない気がします。シドニーには、いけばなに適した枝物は決して多くはありません。そこでオーストラリア原生の木々で日本にある枝物のような風情を表現するのは「トーナルカラー(Tonal range of colours depiction a season)」と言って、季節感の色調を合わせる工夫が必要です。少し専門的ですが、教室に通われている生徒さんたちは楽しく挑戦されています。つぼいけは花器の中で固定させるために、交叉留め、横一文字、釘打ちといった技法を使います。いけるチャンスにめぐり合えた時にはそういった技術にとらわれて臆することなく堂々と、重量感のあるつぼの特徴を生かして、枝の固定だけは花器の中でしっかり行い、大きく空間を描いていけられることをお勧め致します。たまにはご家族のために、ご自身で花をいけてあげられたら、店で購入するプレゼントよりも心が通い喜ばれると思います。ぜひ一度、お試しください。


Yoshimi
草月流華道講師。幼少の頃から花を嗜む。学生の頃、本格的に活動を始め大阪高島屋に出展。兵庫県議会公館迎え花を担当。シンガポール駐在中に趣味の油絵といけばな展をシンガポール高島屋で行う。現在はチャッツウッド駅前で華道教室フラワー・イン・ライフ(www.7elements.me)を開講

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