【WH日記】豪州での経験を教員として伝えたい ー 中台達也さん

第19回

がんばるワーキング・ホリデー・メーカーにフォーカス

みんなの「ワーホリ・ダイアリー」

オーストラリアでがんばるワーキング・ホリデー・メーカーを毎月紹介。

 

今回登場のワーホリ・メーカーは?

中台達也さん

1991年生まれ・千葉県出身
大学で教育を学び、教員免許取得後シドニーへ。今年3月よりバルメインFC所属、右サイド・ハーフ、ストライカーとして活躍中。

豪州生活とセミプロのサッカー経験を、
日本の教育現場で伝えたい

「異文化の中での生活や挑戦、サッカーのセミプロ・チームでプレーした経験を、日本で小学校教員として子どもたちに伝えたいんです。夢を持つことの大切さを」と中台さんは優しい口調で話し始めてくれた。

やんちゃだったという幼稚園のころからサッカーを始め、中学生の時にはクラブ・チーム、ペーニャ・バルセロナ・ジャパン(PBJ)に所属。スペイン遠征ではバルセロナFCのジュニア・ユースを相手に自身のアシストで1点を決めるなど思い出深い経験をしたが、「プロのサッカー選手になりたい気持ちもありましたが現実的にはなかなか厳しい」と別の道を考え始めたのだという。

教師を志したのは高校生のころ。元教師の祖父と医療系に従事する両親の影響もあり、特別支援教育などにも興味を持つようになる。その時点では帝京高校でサッカーをやっていたが「サッカー推薦で大学に行くと学部が選べない。でも自分はどうしても小学校の先生になりたかったので教育学部を選んで進学しました」。

大学生の時から小学校の授業サポートのボランティアをするなど、教えることが楽しくてたまらなかったと中台さんは言う。教育実習では小学校のほか特別支援学校にも行った。「ダウン症や知的障害、LD(学習障害)、それらの混合の子もいました。みんなすごく可愛いんですよ」と目を細める中台さん。大学卒業後すぐ教師になろうとは思わなかったのだろうか。「“先生”以外の視野も持った先生になりたくて。英語教育は日本の小学校でも必修化されているので、こっちで実践的に学びたかったし、またサッカーにも挑戦したかったんです」。

大学卒業後、シドニーへ。ホームステイをしながら語学学校で英語力を伸ばした後、さらに児童英語教師になる勉強もしてJ-Shine、TECSOLの資格を取得。その最中にサッカーのセミプロ・チームへの入団テストに応募し始め、アルバイトもあり「びっくりするほど忙しかった」と言う。

「ホームステイ先のお母さんには最初『なぜこんなに英語ができないの』と言われましたが(笑)、本当の家族のように良くしてくれました。子どもたちが所属するサッカー・クラブでボランティアさせてくれたり。また、アマチュアの日系フットサル・チームにセミプロ・チームの情報をもらうなど、本当に『人』に支えられています」と中台さんは言う。

しかし、そこから先は独力でセミプロ・チーム入団を達成することを当初から目標の1つにしていたのだとか。「エージェントを通してトライアウト(入団テスト)を受けるのが一般的ですが、自分の場合は英語力も試したかったし、将来教師になった時に『自力で何かをやる』という経験も子どもたちに伝えたくて。メールで応募した10数チームの中のいくつかが返事をくれて、トライアウトを受けられることになりました」

日本人がオーストラリアでサッカーをする中での大きな壁は、やはりコミュニケーションと体の大きさだという。中台さんは身長165センチ、サッカー選手として決して大きいほうではない。ポジションは右サイド・ハーフ、ストライカー。「トライアウトでは20〜30人程度の応募者が試合形式で審査されます。応募者はオージーがほとんどですが南米系も多い。実力をアピールする時間を十分にもらえなかったり、アジア人と馬鹿にされたり削られたりすることも。人生を賭けて来ている人も多くシビアな世界だと痛感しましたが、楽しむ気持ちを大切にして、最後にはきっと受かると信じて臨みました」。バルメインFCの2次、3次選考を経て、中台さんは見事今シーズンの合格者6人のうちの1人に選ばれた。それを報せるとホームステイ先の家族も泣いて喜んでくれたという。「でも契約後、練習試合の実力を見て4人をクビにしたと聞かされ、これがお金をもらってサッカーをやるということかと気が引き締まりました」。

実際にシーズンが始まり、「チーム唯一のアジア人としてフィジカルはネックですが、強みはとにかく走って得点すること。そんなプレーをするゴン中山選手に憧れてやってきたので。すると最初は来なかったパスも次第に来るようになりました」と手応えを感じているそうだ。

「9月にシーズン終了なので、そこで日本へ帰って教職に就きます」と今後の予定を話す中台さん。もし契約更新の話が来たら、と尋ねると「それでもサッカーはここで終わりにします。あくまで目標は、夢を持つことの大切さを自分の経験から語れる先生になること」と潔く、軸はぶれることがない。学校教育というフィールドで中台さんの勇姿が見られる日が楽しみだ。

「ワーキング・ホリデー・メーカー」募集中!
自薦、他薦は問いません! 「推薦理由」等、詳細をお書き添えの上、編集部(nichigopress@gmail.com)まで。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る