【WH日記】ワーホリ、そして「結婚」という選択 ー 坂口俊介さん

第20回

がんばるワーキング・ホリデー・メーカーにフォーカス

みんなの「ワーホリ・ダイアリー」

オーストラリアでがんばるワーキング・ホリデー・メーカーを毎月紹介。

 

今回登場のワーホリ・メーカーは?

坂口俊介さん

1985年生まれ・熊本県出身
東京で6年の会社員経験を経て、オーストラリアへ。2年のワーホリ生活後、ゴールドコーストで結婚。写真は挙式時のもの。

ワーホリ、そして「結婚」という選択

「日本にいたころは、自分は一生結婚しないだろうなと思っていたんです。1人の時間が大事なタイプだったので」と話す坂口さんは、30歳になる今年、恋人と入籍し夫婦になった。ワーキング・ホリデー・ビザで訪れたオーストラリアで結婚に至るまでに、どんな心境の変化があったのだろうか。

東京で働いていたころ、ふと定年までその仕事を続けるビジョンが見えなくなった瞬間があったという。そんな中サーフィン友達を通してワーキング・ホリデーという海外滞在方法を知る。20代後半だった坂口さんは「海外に出た後、日本に帰ってきても30歳手前だから再就職もしやすい、という考えが5割。海外に生活基盤を作れたら素敵だなという思いも5割」だったという。さらに、自然を愛する気持ちも海外行きを後押しした。

「多くのサーファーがそうであるように、日本の海や空気、土壌の環境汚染も考えずにはいられない。3.11の震災後、その気持ちはさらに強くなりました」

行き先をオーストラリアに定めるも、英語が堪能というわけではなかったそうだ。降り立った空港では係員の言葉が聞き取れず不安にもなったが、小さなスーツケース1個だけを携えて現れた彼を、ホームステイ先の家族は驚きつつも温かく歓迎してくれたという。通い始めた語学学校では実力よりややハイ・レベルなクラスに入ることに。学ぶ意欲の高かった坂口さんだが「難し過ぎて自分だけがしゃべれず、開始3日で心が折れた」という。しかし結果的にその授業も功を奏して実力も付き、その後わずか1カ月間だけ在籍した会話中心のコースで、台湾から来た同じくワーホリ・メーカーの彼女と出会うことに。しかし、「『定年まで働けば安泰、だけど退屈』という生活を辞めて、第2の人生のスタートのような気持ちで来たんです。だから恋愛とか結婚とか、安定みたいなものを求めていなくて」と坂口さんは彼女と友達でいることを選ぶ。ところが驚くほど性格も合い、日本人のような気配りをする優しい彼女と過ごす時間は、彼にとって次第に自然なものになっていった。

セカンド・ビザを取るのは彼女のかねてからの計画で、坂口さんは全く考えていなかったというが「面白そうだから」と生来の好奇心から2人でファームへ行くことに。「ファームの仕事は過酷。だけど何事も挑戦だし、すぐ辞めようとは思いませんでした。後で聞いたら彼女はつらくて辞めたかったそうですが」と坂口さんは笑う。

「他人に気を遣えないくらい疲れた時って自分の嫌な部分を隠し通せなくなるから、お互いの人間性を深く知るには良い機会だなという思いもありました。たぶん、付き合うと決めた時には将来を意識していたんだと思います」

仕事のつらさが高じて喧嘩になったこともある。帰りたい、とこぼす彼女に「俺は真剣な気持ちで付き合っているよ、と言いました。『耐え切れない時も別れたい時もためらわずに話してほしい。全部受け入れるから』と、なぜか素直に話せたんです。過去に経験したことのない関係ですね」。

ファーム終了後は、海辺の街で仕事とサーフィンを満喫する暮らしに。しかしオーストラリア滞在にはビザの期限がある。2年の終わりを見据えた時、2人にとって第3国のこの場所で生活を続けてみようと決めたのは自然な流れだった。坂口さんがプロポーズの言葉を伝えると彼女は「Of course」と満面の笑顔で応じた。

2人の会話はすべて英語だが「彼女の冗談や笑いのポイントも実家の家族と似ていて、自分が彼女ほど英語ができなかった時からずっと、お互いの言いたいことを不思議と理解していました」という間柄だからこそ、家族に紹介する時も不安はなかったという。実際に、坂口さんの親族の子どもをあやす彼女の様子を見た家族はすっかり安心して、言葉の壁を超えて彼女のことを気に入ったのだそうだ。

台湾の彼女の実家では、日本の植民地時代を経験し日本語が分かるという彼女の祖父母にも会った。「外国人同士の結婚だからと最初は心配されていたようですが、お互いに助け合って頑張ってね、とすんなり受け入れてくれました」。

ゴールドコーストで挙式し「この国で生きるという実感も湧きました。多国籍環境で自然も豊かなオーストラリアで、いつかは子どもを育てたいですね」と坂口さん。現在、学生ビザを取得し調理の勉強と仕事を両立する暮らしは多忙を極める。「家族ができて、勉強にも仕事にも『やる理由がある』ということが毎日を充実させています。意思なく選択したことは後悔もしますが、理由があって選ぶ答えは後悔しないな、と最近すごく思います」という彼の言葉は、数年前の、そして未来の彼自身に向けて贈られたようだ。

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