2017年9月 ニュース/総合

性的少数者の社会運動を象徴する虹色の旗「レインボー・フラッグ」がはためくシドニー東部テイラー・スクエア
性的少数者の社会運動を象徴する虹色の旗「レインボー・フラッグ」がはためくシドニー東部テイラー・スクエア

同性婚の是非、郵便調査で問う

国民投票案は上院で否決

豪統計局(ABS)は8月10日、同性婚の是非を問う郵便調査を実施すると発表した。全有権者が対象だが、義務投票制を採る通常の選挙と異なり、郵便調査への参加は任意。調査結果は法的な拘束力も持たない。

ABSは9月に調査票の郵送を開始し、11月15日までに結果を公表する。その後、連邦議会が結果を参考に婚姻法の改正を審議する見通し。賛成派のブランディス連邦法相は8日、公共放送ABCテレビで「同性婚は今年のクリスマスまでに合法化されるだろう」と述べた。

豪州では近年、性的少数者のカップルが通常の夫婦と同等の権利を持つべきだとの声が高まり、同性婚への支持が拡大している。与党保守連合内でもリベラル派のターンブル首相は賛成の立場だが、伝統的なキリスト教の家族観を重んじるアボット前首相ら保守派は反対。与党は有権者に判断を委ねる形で国民投票の実施を目指したが、野党は議会での審議を主張。国民投票案は野党が多数派を占める上院で2度否決されたため、与党は次善策として議会の承認が必要のない郵便調査に転換した。

ただ、性的少数者への偏見を助長するとして、賛成派の一部は郵便調査のボイコットを呼び掛けている。同性婚推進団体は10日、郵便調査を差し止めを求めて連邦最高裁に提訴した。


二重国籍問題、政界揺さぶる

野党議員2人が辞職、閣僚も辞任

議員を辞職したグリーンズのスコット・ラドラム氏
議員を辞職したグリーンズのスコット・ラドラム氏
議員を辞職したグリーンズのラリッサ・ウォーターズ氏
議員を辞職したグリーンズのラリッサ・ウォーターズ氏
資源相を辞任したマット・カナバン連邦上院議員
資源相を辞任したマット・カナバン連邦上院議員

二重国籍問題が豪政界を揺るがしている。連邦上院の野党議員2人が7月、相次いで二重国籍を保持していることを表明して議員を辞職したのに続き、ターンブル政権の現職閣僚も二重国籍を認めて閣僚を辞任した。移民国家の豪州で二重国籍は合法だが、連邦議員の二重国籍は違憲。問題が他の議員にも広がれば、大きな混乱は避けられない。

地元メディアによると、左派の環境保護政党「グリーンズ」(緑の党)の副代表を務めるスコット・ラドラム上院議員は14日、議員を辞職した。同氏は出身地であるニュージーランドの国籍を、現在も保持していることを認識しないまま、議員活動を続けていたことを明らかにした。同じくグリーンズ副代表のラリッサ・ウォーターズ上院議員も18日、出身地のカナダの国籍を破棄していなかったとして、議員を辞職した。

マット・カナバン資源相兼豪北部担当相(国民党、連邦上院議員)も25日、ブリスベンで会見を開き、イタリア国籍を有していることを認め、閣僚を辞任した。カナバン氏は豪州生まれでイタリアへの渡航経験も無かった。しかし、イタリア系オーストラリア人の母親が2006年にブリスベンのイタリア総領事館で、自身とカナバン氏のイタリア国籍を取得。同総領事館に問い合わせたところ、同氏がイタリア国籍を保持している事実が明らかになったという。

カナバン氏は、連邦議員の職にはとどまる意向。連邦政府は、カナバン氏がイタリア国籍取得について認識または同意していない場合、外国籍保持者が議員に立候補することを禁じた憲法44条には抵触しないとの見解を示しており、連邦最高裁の憲法判断に委ねるとしている。

海外からの移民受け入れによって成長してきた豪州では、海外生まれの人が約3割(2011年国勢調査)に達している。二重国籍自体は容認されており、二重国籍者の割合は全人口の6分の1を占めるとされる。

今回、問題が発覚した3人はいずれも故意ではなく、二重国籍であることを認識していなかったと主張している。しかし、海外生まれの議員は多く、今後も二重国籍を公表する議員が相次ぐ可能性は否定出来ない。

英国生まれのトニー・アボット前首相にも二重国籍疑惑が浮上したが、アボット氏は記録を公開して二重国籍を明確に否定している。


中国のスパイ艦、豪EEZ内で活動
豪米合同軍事演習に合わせ情報収集か

公共放送ABC(電子版)は7月22日、中国軍の艦船がこのほど、オーストラリアの北東沖の海域で活動していたと報じた。QLD州中部ロックハンプトン沖の訓練海域で6月末から7月末にかけて行われた豪米共同軍事演習「タリスマン・セーバー」の情報収集に当たっていたと見られる。

報道によると、活動していたのは中国人民解放軍の「ドンディアオ級情報収集艦」。豪国防軍はABCに「中国艦はオーストラリアの領海には入らなかったが、珊瑚海のオーストラリアの排他的経済水域(EEZ)内にいた」ことを認めた。豪国防軍の高官はABCに対し、豪米共同軍事演習に合わせた中国艦の動きについて「非常に非友好的なシグナルであることは明らかだ」と述べた。

27日付のABC(電子版)によると、マリース・ペイン国防相は領海外での中国艦の活動について国際法上の問題はないとの見方を示した上で「非常に注意深く観察している。我々の監視を過小評価すべきではない」と語り、海洋進出を強める中国側の動きをけん制した。

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