第64回 QLD 地元愛

日豪サッカー新時代

第64回 地元愛
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

五郎丸選手のレッズの本拠地でもあるサンコープ・スタジアム。ロア戦の入りは決して誇れるものではない(筆者撮影)
五郎丸選手のレッズの本拠地でもあるサンコープ・スタジアム。ロア戦の入りは決して誇れるものではない(筆者撮影)

のっけから他競技の話で恐縮だが、当地のラグビー・ユニオンのクラブに日本から「大物」がやって来るとなると触れないわけにはいくまい。

ご存知、ラグビーの日本代表のエース・五郎丸歩。そんな時の人が、来年2月開幕のスーパーリーグでブリスベンのQLDレッズでプレーすることが決まった。

当然、このニュースに当地の邦人社会は大いに反応した。彼目当てにスタジアムに足を運ぶ人が多いであろうことも想像に難くない。目に見える「五郎丸効果」ともいうべき盛り上がりだ。先月のW杯での日本代表の大活躍で日本のラグビー人気が大きく向上した。今回の五郎丸の入団を受けての当地の邦人社会の大きな盛り上がりも、その延長線上にあるのは間違いない。

しかし、ちょっと待ってほしい。盛り上がりに水を差す気は無いが、彼の来豪は日本のトップ・リーグが終わる来年2月初旬の予定。まだ2カ月以上も先の話だ。この国では、今、ラグビーはオフ真っただ中。であれば、ぜひ、この盛り上がりの10分の1で良いから、ただ今、シーズン真っ盛りの地元のサッカー・クラブにも関心を払ってもらえないものだろうか。

もし、日本人選手の有無だけが応援の可否の判断基準であれば、無理強いはできない。しかし、もし地元のチームを応援したいという気持ちが少しでもあるのであれば、ぜひ、我らが地元のブリスベン・ロアをサポートしてもらいたい。シーズン・オフにはクラブの存続すら危ぶまれたクラブが快進撃を見せている。しかも、39歳の青年監督ジョン・アロイジが率いるチームは、攻撃的なサッカーで観る者を飽きさせない。

そんな彼らのホーム・ゲームには、1万人そこらの観衆しか集まらない。確かに、スタジアムの収容能力が実際の動員能力に釣り合っていないのも事実。しかし、適度な大きさのスタジアムが存在しない以上、当面はサンコープでの試合開催は続く。そうであれば、少しでも多くの観客に足を運んでもらい、できるだけ多くの客席を埋めるための努力が必要になってくる。

小野伸二や日本代表の試合をサンコープ・スタジアムで観戦した皆さんに、この場を借りてあらためてお願いしたい。レッズの開幕までの期間、1度で構わないので、ロアの試合を観戦してみて欲しい。サッカ―が好きなら、絶対に楽しんでもらえるはず。

クラブの回し者ではないけども、マーケティング下手な彼らに代わってQLD州唯一のAリーグ・クラブのPRを、地元愛から自発的に買って出てみた。


【うえまつの独り言】
NPLQの強豪パーム・ビーチが、ゴールドコースト・シティに改称して将来的なAリーグ入りを目指すとの報道。消滅したGCユナイテッドの惨状を知るだけに、なかなかポジティブなイメージが持てない。まずは州レベルで実績を確実に積み上げることが必要だろう。

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