日豪サッカー新時代(QLD)第91回「七人の侍」

第91回 七人の侍
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

久保山衆斗の獲得を伝えるクラブ公式サイト。期待通りの活躍で助っ人としての役割を十分に果たしている(写真提供:エイト・フットボール・マネジメント)
久保山衆斗の獲得を伝えるクラブ公式サイト。期待通りの活躍で助っ人としての役割を十分に果たしている(写真提供:エイト・フットボール・マネジメント)

2月の声を聞くと同時にローカル・フットボールの季節がやってきた。2月頭、全国に先駆けてQLD州1部(豪州2部相当)のNPLQLDが開幕。北はケアンズFC(FNQヒートから改名)、南はゴールドコースト・ユナイテッド(GCU)まで、総勢14クラブが広大なQLD州を舞台に熱戦を繰り広げる。

今季のNPLは、昨年までとは大きく顔ぶれが異なる。12年まで存在した同名のAリーグ・クラブをブランディングし直して立ち上がったGCUは、昨季までNPLに参戦していたGCシティーのごたごたを受けて、急遽NPLに参戦。将来的なAリーグ返り咲きを視野に、急ピッチで活動を本格化させている。

州北部の中心都市タウンズビルでは、ノース・クイーンズランド・ユナイテッド(NQU)が昨年末の内紛で存続が危ぶまれたが、ローカル企業や州サッカー協会(FQ)の支援でぎりぎりでの参戦が決まった。州中部のマッカイを中心としたエリアのクラブ、マグパイズ・クルセーダーズも新顔。これらの新クラブの参戦で、州全体の主要エリアをとりあえずカバーできるようになったNPLは、ようやく州1部に相応しい体裁を整えつつある。更には、ブリスベンの古豪QLDライオンズも悲願のNPL入りを果たし、ブリスベンの覇権争いの激化も必至だ。

今季、NPLには日本人選手7人が在籍して、リーグ全体でも存在感のある一大勢力だ。今季で実に6季目を迎えた伊藤和也(31/オリンピック)は、自身の豪州でのキャリアの集大成となるシーズンを2連勝と上々の滑り出し。そして、大森啓生(27/ブリスベン・ストライカーズ)、越水将一(27/サンシャイン・コースト)の両名も、変わらぬ安定感でチームの主力として活躍する。

開幕2試合で得点王争いの単独トップに立つのが、久保山衆斗(24/レッドランズ・ユナイテッド)。ブリスベンの古豪に今季から加入、開幕2試合でハットトリックを含む4得点の大暴れ。3部相当リーグBPL優勝のタイトルを引っ提げてNPLデビューを果たした永田羽竜(24/GCU)も開幕戦でゴールを挙げるなど活躍の予感。昨年、豪州5季目の志津野誠司(26/ブリスベン・シティー)も満を持してのNPLデビューに鼻息は荒い。ケアンズFCのDF中川武蔵(17)は豪州育ちの日本人でユースからの抜擢でチャンスをつかんだ。

今年のNPL、「七人の侍」の大暴れに期待しよう。


【うえまつのひとり言】
今号のタイトル、何だか既視感があって検索してみた。やはり、全国版の第80回、昨年のNPLNSWのプレビューで使用済み。実は当連載、QLD版と全国版で全く違う内容を挙げている。ご興味のある方はぜひ「日豪サッカー新時代」で検索して、バックナンバーをお楽しみあれ。

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