日豪サッカー新時代(NAT)第96回「降臨」

第96回 降臨
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

Aリーグの試合会場で“Keisuke Honda”の名がアナウンスされる日は果たしてやって来るのか(筆者撮影)
Aリーグの試合会場で“Keisuke Honda”の名がアナウンスされる日は果たしてやって来るのか(筆者撮影)

気が早いタイトルだと思う。でも、もし決まればレジェンドのまさに「降臨」に違いない。そう、今、噂になっている本田圭佑の「豪州移籍」の件だ。メルボルン・ビクトリー(以下、ビクトリー)が、本田とかなりシリアスなやり取りで、一部報道によれば合意間近だという。私も幾つかのリソースには当たり、交渉の事実は間違いないようだが、今一つ確証のある情報を得られなかったので、断言はできない。しかも、この手の話は6月にシドニーFCがフェルナンド・トーレスを逃した例など、正式に決まって署名されるまでは分からない。自身も含めて、読者をぬか喜びさせたくないので、こちらも断定的な表現は努めて避ける。

しかし、本田ほどの大物を“ダウンアンダー”の地に引き寄せられるような機会はまたとない。今回、ビクトリーが獲得できなければ、実現の可能性は限りなく低くなる。本田本人は、「サッカーを続けるかは考えている。7月末までには結論を出したい」と公言しており、本コラムがほとんどの読者に届くころには、もう事の経緯がある程度はっきりとしているに違いない。当然「日豪フットボール新時代」を今後も語っていくには、本田圭佑という大物のプレゼンスがある方が良いに決まっている。何とか実現して欲しいものだ。

もし、本田がビクトリーに入団したら、来季のメルボルン・ダービーは大いに盛り上がること必至。ビクトリーは、本田が文字通りピッチ上の王様として君臨しているであろうし、クロスタウン・ライバルのメルボルン・シティーの攻撃の中心を担うのは、先のロシアW杯で出場全選手中、最年少だった豪州の若き至宝MFダニエル・アルザーニだ。

ただでなくとも盛り上がるダービーは年間3戦組まれている。それらの試合で、一方では日本のレジェンド、もう一方では豪州フットボール界の未来を背負って立つ逸材が攻撃のタクトを振るうかもしれないのだ。その対戦は、まさに「日豪フットボール新時代」を具現化するような得難い場となるに違いない。

恐らくは、アルザーニの国内でのプレーは今年が最後だろうし、本田が入団しても複数年契約とは考えにくい。ということは、もしこの顔合わせが実現すれば、その競演は来季限定となる可能性が非常に高いということだ。

チャンスは3回。メルボルン在住でなくとも一度は観たい日豪の新旧スター競演は、絶対に見逃せない。楽しみだ。


【うえまつのひとり言】
豪州フットボール界のレジェンド、ティム・ケーヒルが代表引退を表明した。ロシアW杯では、3戦目にプレーして4大会連続出場を達成も、4大会連続得点の夢は果たせずに終わった。かつて、日本の“天敵”と呼ばれた男は、静かにグリーン&ゴールドのユニフォームを脱いだ。クラブ・レベルの去就は現在未定。

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