【特集】豪州サッカー/セミプロ・リーグ2017シーズン観戦ガイド

豪州サッカー セミプロ・リーグ 2017年シーズン観戦ガイド

現在、多くの日本人サッカー選手が海外でプレーする時代となったが、ここオーストラリアにも日本人選手は多数存在する。特にオーストラリア各州にあり3月から新シーズンが始まるセミプロ・リーグ(National Premier League/NPL)では、今シーズンも多くの選手がプレー。海外で頑張る日本人選手を応援しにサッカー観戦に行くはどうだろうか。そこで、オーストラリアのサッカー・リーグやスタジアム観戦について「株式会社豪州フットボールマネージメント」代表・宮下忠士さんの協力の下、オーストラリアのサッカー事情や今期の見どころをまとめた。(取材・文=山内亮治)

■監修:豪州ソリューションズ宮下忠士さん
1979年生まれ、サッカー・エージェント「株式会社豪州フットボールマネージメント」代表。2009年にオーストラリア国内でプレーする日本人サッカー選手、サッカー留学生をサポートする「豪州ソリューションズ」を設立。これまで80人近い日本人選手を支援してきた。また日本人選手のサポート以外にも、海外遠征で渡豪するJリーグ・チームの記者会見通訳なども担当。豪州ソリューションズが運営するウェブサイト「豪州フットボーラーズ・ブログ」(Web: goshufootballers.com)も参照。

オーストラリアのサッカー

国内のサッカー・リーグ

オーストラリアのサッカー・リーグは、トップ・リーグである「Aリーグ」を筆頭にその下に各州のNPL、そしてアマチュア・リーグとカテゴリーが続く。Aリーグのみがプロ・リーグで、過去には三浦和良選手や小野伸二選手といった元日本代表選手もAリーグで活躍した。

NPLを頂点として各州また地域リーグはセミプロ・リーグという位置付けとなっており、2013年からは各州のトップ・リーグとして「ナショナル・プレミア・リーグ(NPL/州1部、豪州2部相当)」がスタート。そして、各州の優勝チームが参加するNPLファイナル・シリーズをノック・アウト方式で戦いNPLのチャンピオンを決定する。しかし、他国のリーグのシステムと違い、AリーグとNPLの間でチームが昇格・降格するという制度にはなっていない。

また、06年にオーストラリア・サッカー連盟はそれまで加盟していたオセアニア・サッカー連盟(OFC)からアジア・サッカー連盟(AFC)へ転籍。それにより、プロ・リーグでは、Aリーグ所属のチームがアジアでナンバー・ワンのクラブ・チームを決める大会「AFCアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)」へ参加することが可能になった。14年には、ACLでシドニーを本拠地とするチームの1つウエスタン・シドニー・ワンダラーズFCがアジア・チャンピオンの座を勝ち取るという快挙を成し遂げた。

NPLのシーズンとシステム

オーストラリアのサッカー・リーグの仕組み
オーストラリアのサッカー・リーグの仕組み

セミプロ・リーグという位置付けのNPLは、リーグ戦の期間が3月から9月までの約半年(Aリーグは10月から翌年の4月まで)、リーグ戦を通してNPLの中で、昇格・降格が決定するシステムとなっている。

シーズン中にはリーグ戦以外にもNSW州の場合、セミプロ、アマチュア・リーグのクラブがトーナメント形式で優勝を競い合う「ワラタ・カップ」があり、ワラタ・カップの上位5クラブ、各州の代表チームとAリーグの全てのクラブが参加しオーストラリアで頂点を競い合う「FFAカップ(日本の天皇杯に相当)」も開催される。

オーストラリアで活躍する日本人選手

現在、Aリーグでプレーする日本人選手はウエスタン・シドニー・ワンダラーズFC所属の楠神順平選手(2016/17シーズンから加入)のみとなったが、その下のセミプロ・リーグではNSW州の場合だとリーグの1部、2部だけでも10人以上の日本人選手が将来のAリーグ入りを目指しプレーしている。

また、セミプロ・リーグのクラブに所属する日本人選手の待遇面は、リーグの特性上、リーグ期間の3~9月の間のみ給料が発生する場合がほとんどとなっている。

NSW州のセミプロ・リーグ

NSW州のトップ·リーグ「NSW ナショナル・プレミア・リーグ1」

オーストラリアの各州セミプロ・リーグの中でも、最もレベルが高いと言われているのがシドニーを中心としたNPLのトップ・カテゴリー「NSW ナショナル・プレミア・リーグ1(NSW NPL1)」。現在は12クラブが所属し、各クラブはホーム&アウェー方式でシーズンを通し22試合を戦う。

NSW NPL1はそのレベルの高さから、これまでにも多くの選手がこのリーグで活躍することで、Aリーグのクラブとの契約を勝ち取ってきた過去がある。しかし、NSW NPL1では各チームに外国人枠が2つしか用意されていないため、日本人選手がプレーするには狭き門となっている。その反面に選手への待遇は良く、トップ・クラスの日本人選手の中には、月に6,000豪ドル近くの収入を得ている選手もいるという。

スタジアム観戦

チケットの購入

NSW NPL1の試合の観戦チケットは、試合会場のチケット販売窓口で購入することができる。また、チームによってはシーズンの年間チケットを販売しており、チームから直接購入することも可能。チケットの価格はNSW NPL1の場合、大人15ドル、コンセッション10ドル、16歳以下の子どもは無料となっている。

試合観戦の楽しみ方・注意点

試合観戦に行くチームが決まったら、事前にクラブのウェブサイトで日本人選手が所属しているかなどをチェックし、所属している場合は選手の経歴・ポジションといった情報を知っておくとより楽しく観戦できるはず。そして、セミプロ・リーグは選手とサポーターとの距離が近いため、試合後に選手からサインをもらったり、選手に話しかけることも可能。こうした選手との交流も試合観戦の楽しみの1つだ。

また、サッカーの試合は野球の試合などとは異なり雨天であっても開催されるため、観戦にあたって雨具が必要となる場合もある。その時は、周囲に人がたくさんいる中で傘をさすのは危険なので、必ずレイン・コートを持参しよう。

情報収集

観戦に出かける前に調べておきたいのが、試合のスケジュールや応援に行くクラブの最新ニュースといった情報。そして、観戦後、これからも応援したいチームや気になる選手が見つかれば、詳しい最新動向をフォローしたくなるところ。そこで、NSW NPL1やオーストラリア各州のNPLをチェックすることができる関連ウェブサイトを紹介。

NSW NPL1チーム紹介

今シーズンNSW NPL1を戦う全12クラブを紹介。まずは住んでる地域の近くにクラブのスタジアムがあるか調べてみては。また各チームのウェブサイトで日本人選手の所属状況、試合スケジュールなどをチェックし観戦に出かけてみよう。


APIA Leichhardt Tigers FC
アピア・ライカート・タイガースFC

▼スタジアム:Lambert Park(7,000人収容)
20-22 Marion St., Leichhardt
▼Web: www.apiatigers.com


Blacktown City FC
ブラックタウン・シティーFC

▼スタジアム:Lily HomesStadium(7,500人収容)
Quinn Ave., Seven Hills
▼Web: www.bcfc.com.au


Bonnyrigg White Eagle
FCボニーリグ・ホワイト・イーグルスFC

▼スタジアム:Bonnyrigg Sports Club(5,000人収容)
618 Elizabeth Dr., Bonnyrigg Heights
▼Web: bwefc.com.au


Hakoah Sydney City East FC
ハコアー・シドニー・シティー・イーストFC

▼スタジアム:Hensley Athletic Field(1,000人収容)
79 CorishCircle, Eastgardens
▼Web: hakoahfc.com.au


Manly United FC
マンリー・ユナイテッドFC

▼スタジアム:Cromer Park(5,000人収容)
South Creek Rd., Cromer
▼Web: www.manlyunitedfc.com.au


Parramatta FC
パラマタFC

▼スタジアム:Melita Stadium(1万人収容)
1 Everley Rd., Chester Hill
▼Web: www.parramattafc.com.au


Rockdale City Suns FC
ロックデール・シティー・サンズFC

▼スタジアム:Ilinden Sports Centre(5,000人収容)
468 West Botany St., Rockdale
▼Web: rcsfc.com.au


Sutherland Sharks FC
サザーランド・シャークスFC

▼スタジアム:Seymour Shaw Park(5,000人収容)
Parkside Ave., Miranda
▼Web: www.sutherlandsharksfc.com.au


Sydney Olympic FC
シドニー・オリンピックFC

▼スタジアム:Belmore Sports Ground
(2万5,000人収容)
3 Edison Lane, Belmore
▼Web: sydneyolympicfc.com.au


Sydney United 58 FC
シドニー・ユナイテッド58FC

▼スタジアム:Sydney United Sports Centre
(1万2,000人収容)
223-227 Edensor Rd., Edensor Park
▼Web: sydneyunited58fc.com


Sydney FC Youth
シドニーFCユース

▼スタジアム:Lambert Park(7,000人収容)
20-22 Marion St., Leichhardt
▼Web: www.sydneyfc.com


Wollongong Wolves FC
ウーロンゴン・ウルブスFC

▼スタジアム:WIN Stadium(2万3,000人収容)
WIN Sports & Entertainment Centres,
Cnr. Crown & Harbour Sts., Wollongong
▼Web: wollongongwolves.com.au

注目の日本人プレーヤー

日本人選手が多くプレーするNPLの中で、NSW NPL1で新シーズンを戦い今後の活躍が期待されるプレーヤー2人を紹介。各選手の注目したいポイントや、新シーズンに向けた意気込みを伺った。

NPLで活躍する日本人選手たち(写真はブラックタウンFC)
NPLで活躍する日本人選手たち(写真はブラックタウンFC)

①氏名・年齢 ④ポジション
②身長・体重 ⑤注目したいポイント
③所属チーム ⑥新シーズンへの意気込み

① 梶山知裕(かじやまともひろ)23歳
② 172cm・62㎏
③ Sutherland Sharks FC
④ ミッドフィールダー
⑤ 切れ味鋭いドリブル
⑥「オーストラリアでの2シーズン目を迎え、もう一度覚悟を持ってプレーします。そして、はっきりと分かる形でこれまで以上に大きく成長してシーズンを終えるつもりです。そのためにも、しっかり自分と向き合い、自分のゴールや活躍で成長している姿を伝えられたらと思います。応援よろしくお願いします」


① 鎌田倖輔(かまだこうすけ)19歳
② 168cm・62㎏
③ Sydney Olympic FC U-20
④ フォワード
⑤ 50メートル5秒台のスピード
⑥「自分にとって今回のNSW NPL1でのプレーが初めての海外挑戦になるので、言葉の壁や日本との環境の違いに苦労するかもしれません。しかし、いち早くオーストラリアの環境に適応し、まずはU-20のチームでスタメンを勝ち取りたいと思います。そして、トップ・チーム昇格を目指し努力します」

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