【全豪オープン2018観戦ガイド】注目選手を一挙紹介!

2018年
全豪オープン
観戦ガイド

2018年グランド・スラム(GS)の第1戦、全豪オープンは、メルボルン市内のメルボルン・パークで1月15日から28日まで行われる。昨年の男子シングルス決勝ではナダル対フェデラーという10年前にタイムスリップしたかのような戦い、また女子シングルスでは今年、最強のセリーナ・ウィリアムスが出産により離脱するなど動きが見られる。男女とも優勝の行方は混とんとしている。(世界ランクは2017年12月4日付け)

男子シングルスの行方は?

GS優勝19回を誇るフェデラー
GS優勝19回を誇るフェデラー

2017年の男子テニス界は、誰も予想し得ない展開で始まった。

ロジャー・フェデラー(スイス、35歳)が全豪と全英、ラファエル・ナダル(スペイン、31歳)が全仏と全米とGS4戦を分け合った。昨年の同特集ではフェデラーもナダルも優勝候補とは全く考えておらず、人気者だけに、元気な姿が見られればそれで良いなどと酷評していた。ナダル(昨年年初9位)は、14年の全仏以来2年半もGS優勝がなく、フェデラー(同15位)に至っては12年の全仏以来4年半もGS優勝から遠ざかっており、両者ともほとんど過去の人となっていた。誰がこの2人がGS4戦を分け合うと予想したであろう。フェデラーは、GS優勝回数を前人未到の19回に伸ばし、ナダルも同2位の16回に達した。

昨年の全豪で準優勝のナダル
昨年の全豪で準優勝のナダル

ジョコビッチ、マレーは、けがなどもあり世界ランク・トップ10から外れた。史上最強のチャンピオンと呼ばれるノバク・ジョコビッチ(セルビア、29歳、12位)がウィンブルドンで途中棄権して以降、昨年後半からはけがのために休養した。ジョコビッチが年間でGSを1勝もできなかったのは2010年以来のことである。

アンディ・マレー(イギリス、29歳、16位)も全英で準々決勝敗退した後の半年を休養。ジョコビッチとマレーの2人ともGS4戦で決勝まで進んでいないのは、06年以来11年ぶりのことで、昨年がいかに異例の年であったかが分かる。ジョコビッチもマレーも実力者だけに、休養を十分に取り回復した姿で全豪では存分な活躍を見せてくれるだろう。

錦織圭、復活なるか?

日本期待の星、錦織圭(28歳、22位)は、17年1月のランキングは5位。ブリスベン国際では準決勝でワウリンカを2-0のストレートで破り、決勝ではディミトロフに1-2敗れたものの準優勝で順調なスタートを切った。

世界ランク・トップ10復帰を目指す錦織
世界ランク・トップ10復帰を目指す錦織

昨年の全豪には第5シードで出場、4回戦でフェデラーとGSで初めて対戦した。フル・セットの末2-3で敗退したが、その後フェデラーが優勝したことを考えると実に残念な試合であった。アルゼンチン・オープンでは準優勝し、全仏ではマレーに1-3で敗れたが準々決勝まで勝ち進んだ。全英では、2回戦までは順当に勝ち進んだが、3回戦で難敵ロベルト・バウティスタ・アグートに1-3で敗れ、2年連続の4回戦進出とはならなかった。8月にカナダで行われたロジャーズ・カップでは2回戦でガエル・モンフィス(フランス、31歳、46位)に敗退。その後、手首の痛みを訴え、尺側手根伸筋腱(しゃくそくしゅこんしんきんけん)の部分断裂と診断され、全米を含め17年シーズンを離脱した。4カ月の休養で体力的にも精神的にもリフレッシュしており、気になるのは手首の状態のみ。既にブリスベン・オープン、全豪に参加を表明している。まずは世界ランク・トップ10復帰を目指す。

アウトサイダーの躍進はあるか?

ジョコビッチの王座奪還なるか?
ジョコビッチの王座奪還なるか?

4強を追う中で、最も成長著しいのはアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ、20歳、4位)だ。ほとんど無名の選手であったが、昨年は、GSに次ぐレベルのATP1000のイタリアン・オープンとロジャーズ・カップで優勝するなどGS初制覇に最も近い位置にいる。錦織はズベレフに手首の不調もあり、ワシントン・オープンではわずか64分2-0で完敗した。次世代のスターに一番近いのがズベレフだろう。

グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア、26歳、3位)も昨年1月の17位から急速に伸びてきた選手だ。全豪でベスト4へ進出、ATP1000の米シンシナティ・オープンに優勝、ATP250のブリスベン・オープンなど3大会に優勝して一躍3位にまで上りつめ、今大会は優勝が狙える位置につけている。ドミニク・ティエム(オーストリア、24歳、5位)も期待の若手である。16年にATP500のメキシコ・オープンで優勝して頭角を現した。昨年も活躍したが、ジョコビッチやナダルに敗退してGS優勝には届いていない。

スタン・ワウリンカ(スイス、32歳、9位)、マリン・チリッチ(クロアチア、29歳、6位)、フアン・マルティン・デル・ポトロ(アルゼンチン、29歳、11位)の3人はGS優勝経験者であり、全豪での優勝を虎視眈々と狙っている。

更に混迷、女子シングルス

全豪の舞台に帰ってくるシャラポワ
全豪の舞台に帰ってくるシャラポワ

女子は昨年、セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ、36歳、22位)が全豪で優勝後に妊娠が判明してツアーから離脱。毎回のように番狂わせが起きている女子シングルスだが、更に混迷の様相を強めている。全仏ではノー・シードから勝ち上がったエレナ・オスタペンコ(ラトビア、20歳、7位)が、優勝候補のシモーナ・ハレプ(ルーマニア、26歳、1位)を撃破して優勝。全英ではガルビン・ムグルサ(スペイン、24歳、2位)が優勝、16年の全仏に続きGS2勝目を勝ち取った。全米ではスローン・スティーブンス(アメリカ、24歳、13位)が初優勝した。

オスタペンコは、全仏では史上初のノー・シード選手の優勝であり、スティーブンスは、13年の全豪でベスト4に入ったものの、この数年は4回戦までの選手である。男子の場合、ノー・シードの選手が優勝することはあり得ないのだが。

人気ナンバー・ワンのマリア・シャラポワ(ロシア、30歳)の復帰もうれしいニュースだ。16年の全豪で違反薬物を使用したことで15カ月の資格停止となっていたが、昨年の全米には主催者推薦で出場したが、1回戦でいきなり世界ランク1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア、26歳)を破って未だ健在であるところを示した。現在、世界ランクは60位まで回復、上位進出を狙っている。

活躍が期待される日本人選手

錦織以外の日本人選手で期待したいのは、昨年ブレイクした杉田雄一(29歳、40位)だ。昨年初めは100位であったが、ATP500のバルセロナ・オープンで上位選手を撃破してベスト8。イギリスのサービトン・チャレンジャーで優勝して、自己最高位64位に躍進。7月にはウィンブルドンの前哨戦で新設のアンタルヤ・オープンで、ダビド・フェレール、マルコス・バグダティス、アドリアン・マナリノに勝って念願のATPツアー初優勝を果たし、初代王者に輝いた。ATPツアーでは松岡修造、錦織圭に続く3人目の日本人優勝者となった。同大会後に44位となりトップ50入りを果たし、松岡を越えて日本人歴代2位の世界ランキングを記録した。

西岡良仁(22歳、166位)は、昨年、好成績により58位まで躍進した。ところがマイアミ・オープンで左ひざを故障し、ツアー離脱を余儀なくされた。GS本戦参加は、100位以内が条件だが、公傷ランク制度(66位)を使って、全豪では本戦から復帰する。

女子では大坂なおみ(20歳、68位)に期待が掛かる。昨年は、全豪2回戦、全仏1回戦、全英と全米は3回戦とまずまずの年であった。全米1回戦で前回優勝のアンゲリク・ケルバー(ドイツ、29歳、21位)を破る金星を挙げた。10月の香港オープンでは、ビーナス・ウィリアムズ(アメリカ、37歳、5位)を7-5、6-2のストレートで撃破し、真価を発揮すればトップ選手にも勝てる実力があることを示した。混乱が続く女子シングルス界であり、全豪では4回戦以上の結果を出す可能性がある。

車いす部門にも注目

車いす部門では国枝の復活に期待
車いす部門では国枝の復活に期待

上地結衣(23歳、1位)が全豪、全仏、全米と3GSで優勝に輝き女王の座に君臨している。全英こそベスト4であったが、年間成績で58勝5敗とディーデ・デフロート(オランダ、20歳)以下の選手を圧倒している。今年も上地の活躍に期待したい。

2015年までは絶対王者であった国枝慎吾(33歳、7位)が苦闘している。右ひじ痛による故障のため、昨年はベスト4が全仏と全英の2回。車いすの場合、出場選手が8人と選抜大会でありベスト4は2回戦負けを意味する。33歳とまだこれからの年齢だけに故障を克服して欲しい。

全豪オープンの楽しみ方

日程

対戦組み合わせ(ドロー)は開幕直前に発表にされる。初日と2日目で男女全選手が登場する。朝から会場を回れば、10試合以上は観戦することができる。全豪オープン予選は1月10日から13日にかけて行われ、入場は無料。本戦出場を懸けた熱い戦いが楽しめる。暑い全豪では水分補給、帽子、サングラス、日焼け止めは忘れずに。夜は冷える日もあるので、上着なども準備しよう。試合経過がリアル・タイムに分かる全豪オープンのスマート・フォン公式アプリもチェック。

会場

メルボルン・パークには、ロッド・レーバー・アリーナ(1万5,000人収容)とマーガレット・コート・アリーナ(7,500人収容)の2つのセンター・コートと一般コートのハイセンス・アリーナ(1万500人収容)の開閉式屋根付きコートがあり、雨天でも試合が行われる。ショー・コートと呼ばれる観客席を備えたコートなど野外コートが全部で22面あり、一部は選手の練習用に使われる。なお、会場にはビデオ・カメラ、大型望遠レンズ、大きな旗、ガラス瓶などは持ち込めない。

ロッド・レーバー・アリーナ・ガイド付きツアー

全豪オープン期間中には、メディア・センターやプレーヤー・センター、歴代優勝者の写真が並ぶ通路、選手控室、選手インタビュー・ホールなど一般観客が入れない場所に入れるツアーがある。全豪オープンがどのように運営されているかが理解できる。うまくいけば、ジョコビッチや錦織に廊下ですれ違うかも。詳しくは全豪オープン・ウェブサイト参照。

催事場

ハイセンス・アリーナ側のグランド・スラム・オーバル催事場には娯楽テントや、ライブ・バンド演奏のビア・ホール、飲食店など催し物や屋台がたくさん出ている。ガーデン・スクエアでは選手によるサイン会も開かれる。錦織などトップ選手も登場する。ロッド・レーバー・アリーナの隣にショップがあり全豪会場でしか買えないロゴ入り特選グッズが販売されている。選手のラケットのチューンアップ・ショップを見学するコーナーも設けられている。

アクセス

会場のメルボルン・パークまでは、トラム、電車、バスなどの交通がありトラムは無料。フリンダース駅から歩いて10分ほどなのでヤラ川の散策を兼ねて歩くのも悪くない。ロッド・レーバー・アリーナは、ヤラ川河畔から良く見える。

チケット

一般券(グランド・パス:49ドルから)は、2つのセンター・コート以外は全て入れる。午後5時以降に入れるチケットや、週末2日間券、5日券、家族4人券など多種の入場券がある。ロッド・レーバー・アリーナの入場券は68ドルから。一般券は会場でも買えるが長蛇の列となるので、ネットで事前購入か、フェデレーション・スクエアで事前に購入するのがお薦め。

Australian Open

会場:Melbourne & Olympic Park Trust, Batman Ave., Melbourne
日程:1月15日(月)~1月28日(日)
Web: australianopen.com


文・写真=イタさん(板屋雅博)
日豪プレスのジャーナリスト、フォトグラファー、駐日代表
東京の神田神保町で叶屋不動産(http://kano-ya.biz)を経営

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