ドラマが生まれる12日間 2018 WSL CHAMPOINSHIP TOUR QUIKSILVER & ROXY PRO GOLD COAST 2018

ドラマが生まれる12日間 2018 WSL CHAMPOINSHIP TOUR QUIKSILVER & ROXY PRO GOLD COAST 2018

ドラマが生まれる12日間、
世界トップ・サーファーたちの開幕戦の行方!

世界トップ・プロ、男子34人と女子17人による戦い、チャンピオンシップ・ツアー(以下、CT)。各地のハイクオリティーな波のキャンパスにスタイリッシュなアート・ラインが刻まれる。その開幕戦が、ゴールドコーストのクーランガッタから始まる。ベテラン・スター選手たちを始め、新鋭のアップカマーたちが続々と参戦する中、誰が優勝の栄冠を勝ち取るのだろうか!? (文・写真=yasu kakurai)

トップ・アスリートたちの戦いが始まる

世界屈指の精鋭34人が、世界各国のサーフ・ポイントで年間全11戦を競い合うCTが、ワールド・サーフィン・リーグ(以下、WSL)主催の下、間もなく開催される。その初戦のメイン会場となるのは、スナッパー・ロックス(クーランガッタ)。風やうねりによってキラ・ポイントに変更となることも想定される。“スーパー・バンク”と称されるこのポイントには、見事としか言いようのないクリーンでソリッドなレギュラー・ウェイブが押し寄せる。

2018年に入り、最初のスウェルが1月28日(火)、29日(水)とこの東海岸に届いた。スナッパーの岩奥から立ち上がる波に向け、サーファーたちがパドル・アウトする。その先にセットしていたのはオーストラリアの英雄たち、ミック・ファニングやジョエル・パーキンソンだった。うねりの鼓動に体をフィットさせ、いとも簡単なことのようにボトムをキープする。このオージーの感覚的知識とセンスは、あまりにも絶妙で言葉を失う。

注目となるピック・アップ・ポイント

ディフェンディング・チャンピオンのオーウェン・ライト。今年もあのリッピングが炸裂するのか!?
ディフェンディング・チャンピオンのオーウェン・ライト。今年もあのリッピングが炸裂するのか!?

昨年の覇者であるオージー・サーフ・ヒーローの1人、オーウェン・ライトは、2015年に選手生命が危ぶまれるほどの大きなけがを頭部に負ったが、感動の復帰を果たし、その雄姿を目の前に会場では涙する者もいた。さすがに体がひと回りほど痩せた感はあったものの、長身から繰り出されるグーフィ・スタンスのリップ・アクションは、キレとスタイリッシュの融合が見ものとなった。グーフィ、いわゆるバック・ハンドの技(アクション)は、豪快な波のスプレーが立ち上がり、観戦者には大きな見応えがある。昨年通算成績6位のオーウェン、今年の活躍も期待される。

そして、日本人としては目が離せない2人のアスリートが、今年のCTにもクオリファイしている。その1人、今年21歳を迎える若き英雄カノア・イガラシ(日本)は、アメリカ育ちながらも純血なる日本人。そのカノアが、3年連続3年目の世界ツアーをライドする。長い手足とバラスの取れた肉体、優雅な中にパンチのあるアクションと繊細なライディングを持つカノア、2020年東京五輪のメダル有力候補と言われている彼は、今年の見所であり、これからのサーフィン界を先導するスターであることに間違いはない。

ジョン・ジョン・フローレンスのマニューバーには、終始見応え満載のライディングを期待できる
ジョン・ジョン・フローレンスのマニューバーには、終始見応え満載のライディングを期待できる
まだまだ進化過程にあるカノア・イガラシ、スマートで堅実なサーフ・スタイルが実にスタイリッシュ
まだまだ進化過程にあるカノア・イガラシ、スマートで堅実なサーフ・スタイルが実にスタイリッシュ

もう1人は、コナー・オレアリー(オーストラリア)。日本人の母とアイルランド人の父に生まれたハーフであるコナーは、2017年通算成績13位、参戦初年度にしか手に入れることのできないルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)を獲得した。彼もグーフィー・スタンスで、ボトムから加速したスピードを維持し、縦に登り詰め、波のリップ頂上で溜め込んだパワーを一気に爆発させる。そこには、美しいしぶきのアートが創り出される。いつも穏やかな印象のコナーだが、ヒートに向かう直前の顔とその目つき、集中した鋭さを感じさせる。今年2年目のCTツアー、彼はどのように攻めて行くのだろうか、面白さが一層増していく。

グランド・チャンピオンを背負う者たち

17年度グランド・チャンピオンのジョン・ジョン・フローレンス(ハワイ)も異才を放つCTサーファー。シャイでクールな彼が表彰台やインタビュー時などに見せる笑顔のショットは貴重な瞬間。ジョン・ジョンのライディングは、波のサイズが上がれば上がるほどリラックスしたスタンスになり、無駄のない動きから想像をはるかに超えるアクションを繰り出してくる。そのライン、エアー、マニューバーの一連がテクニックそのものであり、それはまるで起承転結のあるストーリーのようだ。16年に続き、17年もグランド・チャンピオンとなったジョン・ジョン、本年度CT開幕戦でも栄光のイエロー・ジャージーを身にまとったエントリーとなる。

昨年ルーキーのコナー・オレアリー、「さすがトップ・プロ!」と言わしめるパワーのあるスプレー 5
昨年ルーキーのコナー・オレアリー、「さすがトップ・プロ!」と言わしめるパワーのあるスプレー 5
ケリー・スレーターのスター性、雰囲気とオーラ、そして確固たるハイスペックなテクニックの数々
ケリー・スレーターのスター性、雰囲気とオーラ、そして確固たるハイスペックなテクニックの数々

更に、注目が欠かせないのが、キング・オブ・サーフのケリー・スレーター(アメリカ)。昨年は右足指2本の骨折というけがに見舞われほぼ半戦を棄権となったのだが、彼の存在意義は大きく、やはり華のある王者である点は、現在でも揺るぎないところだろう。背番号11、そのナンバーは11度のグランド・チャンピオンを意味する偉大なる数字。しかし、ケリーの昨年度成績は28位という結果に終わり、今大会ではその戦う姿が見れなくなった……と思われていたのだが、ワイルド・カード(特別枠)に選出され出場が決定している。やはり舞台には、役者が必要ということなのだろう。

サーフィン大国・オーストラリア。とにかくサーフィン熱の高い観客が会場を埋め尽くす
サーフィン大国・オーストラリア。とにかくサーフィン熱の高い観客が会場を埋め尽くす

このCTへの参戦権を得るには、前年度CT成績22位をクリアする、または、クオリファイ・シリーズ(以下、QS)で10位以内(CTからのダブル予選通過者は含まない10人)の成績、そしてワイルド・カードの2人、合計34人が名を連ねるビッグ・イベントなのだ。つまり、世界中で行われるCTとQSの年間ツアーを飛び回り、成績を残すことができた者だけが参戦できるコンペティションということなのだ。心身共に調整を行い、なおかつハイレベルな結果を刻んでいった先に得ることのできるステージなのである。その頂点となる“グランド・チャンピオン”という称号、それを手に入れることは容易なものではなく、どれだけ大変なことかがよく分かる。

波を読み、どれにテイク・オフするのか

スポーツというものは全てにルールがあり、コンペティションである以上、更に細やかな規定がある。大会ルールを把握し、その内容を少しずつ理解していくと、そのヒートの1戦1戦に選手たちの戦略や駆け引きの探り合いが見え隠れし、コンペの楽しさや面白さを感じ得る。サーフィンを自分が体感する喜びとトップ・プロたちが魅せるすばらしい演技を見る感動は、またひと味もふた味も違ったものである。照りつくまばゆい太陽、青と白が美しく共存する海の表情、オレンジが心に届くサンセットのミラクル・タイム、こんなドラマチックな日常が目の前に広がるゴールドコーストの夏、Quiksilver & Roxy Pro 2018は3月、スーパー・エリート・サーファーたちの更なる彩りで熱く大きく盛り上がる。

スナッパーからグリーン・マウント、そしてキラへと連なって行くパーフェクトな波
スナッパーからグリーン・マウント、そしてキラへと連なって行くパーフェクトな波
WSL logo

2018 WSL Championship Tour
Quiksilver & Roxy Pro Gold Coast 2018

■開催地:Snapper Rocks, Coolangatta, Gold Coast
■日程:3月11日(日)~22日(木)
■Web: www.worldsurfleague.com/posts/91989/quiksilver-pro-roxy-pro-gold-coast-guide
※波のコンディションによりキラ・ビーチなどへ変更あり、詳細はウェブサイトで要確認
※チケット不要、駐車場はパブリック・パークを使用

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