コロナウイルス・ワクチン接種計画、デルタ株で見直し

接種遅れ、ロックダウン脱出も見通し不透明に

 これまでスコット・モリソン連邦首相が、「ワクチンは我が国がロックダウンや規制から抜け出る唯一の手がかり」と形容していたが、アストラゼネカ・ワクチンが血栓症問題で60歳以上に限定され、またファイザー・ワクチンも入荷が毎週わずかずつなどという現実に直面して接種計画が世界水準でも大幅に遅れている。そこに来て国内の半分がロックダウン下にあり、いつどうやって抜け出られるのか見通しが不透明になっている。

 7月26日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 7月初め、モリソン首相は、メルボルンのドハティ研究所の感染症モデル化作業でオーストラリアがロックダウンを避ける上で必要な接種進捗度をモデル化し、計算していると発表した。ドハティ研究所は、「問題が政治的に微妙」という理由でこのモデル化作業について明らかにすることはモリソン首相から禁じられ、モリソン首相が直々に「今週中に作業を完了し、政府が全面的に公開する」としており、ドハティ研究所でモデル化作業に携わっている者以外はそれがどのようなものかを知らない。

 オーストラリア国立大学(ANU)の感染症疫学モデル化学部のケーティ・グラス博士は、「研究所はおそらくかなり複雑なコンピュータ・モデルを使い、各接種段階で年齢別人口の間にウイルスがどのように伝播していくかを予測する作業をしているのではないか。また、このような様々な要因が人口や人口の接種率の変化に合わせてどのように変化するのかを調べているのではないか」と推測している。

 現在、国内の接種進捗度は週93万回程度で、成人人口全員の完全接種が終わるのは2022年3月初め頃になると予想される。オーストラリアが国境を開くことができるのは成人人口の75%から80%程度が完全接種を済ませた段階であり、まだ世界でもごく少数の国しか達成できていない。しかも、接種を小児、ティーンネージャ、妊産婦まで広げるとなるとさらに複雑な問題になってくる。

 モデル化作業に20年携わってきたグラス博士は、「今回、デルタ株の出現ですべてが変わってしまった。オーストラリアの作業は世界各国からテストケースと見られている。モデル化そのものは非常に柔軟で、将来的に条件が変わればどうなるかを考え、新しい変異株の出現も考えなければならない。しかし、ドハティ研究所もそのことは織り込み済みだろう」と分析している。

 また、ブレンダン・マーフィ連邦保健省事務次官は、「デルタ株の出現はこれまでのモデル化には相当するものがなかった。現在進められているモデル化作業は現在広がっているデルタ株に合わせたものでなければならない。諸外国の例も検討することになるだろう」と語っている。
■ソース
Australia’s COVID-19 vaccination targets muddied by Delta variant, as modellers calculate country’s way out

 Happy Rich Harding legal 幌北学園 Japanaroo  kidsphoto
日豪プレス 配布場所   日豪プレス 新刊発行    Oishii Japanese Restaurant Guide Covid-19 最新情報

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL


新着イベント情報

新着イベントをもっと見る