地域の平均所得で決まる肥満度

国民の肥満化に政府の適切な政策必要

 オーストラリア国民の肥満化が進んでいるが、居住地域の平均所得が低いほど住民の平均肥満度が上がり、平均所得が高いほど住民の平均肥満度が下がることも数字で裏付けられた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 18歳以上のオーストラリア国民の3分の2が肥満とされているが、統計の数字ではっきりと表れているのは、居住地域によって肥満の率が異なること、平均所得が低いほど肥満の率が増え、平均所得が高いほど肥満の率が減ることが明らかになっている。

 シドニー北部クーリンガイ・カウンシル地域の場合、肥満体人口比率は14%強で、国内でももっとも低い率になっている。ところが、車で4時間半内陸のウェリントンでは成人人口の半数近くが肥満で、糖尿病、がん、心疾患、認知症などのリスクが高くなる。ウェリントンに限らず、国内各地の州都都市圏周辺部や郡部でもウェリントン同様の数字になっている。

 10月11日は世界肥満デー。国内の研究者が、肥満に対する取り組みをこの際全面的にやり直すよう訴えている。

 この問題に取り組んでいるのはVIC大学のローズメアリー・コルダー衛生政策学教授で、肥満度が地域によって300%もの違いになって現れていることを問題にしており、地域の社会経済の水準が大きく関わっているとしている。社会経済的に低い地域ほど肥満度が上がり、社会経済的に高い地域地域ほど肥満度が下がるということから、国民の肥満化を是正するためには政府は社会経済的に低い地域の問題に取り組まなければならないとしている。

 また、実際に社会経済的に低い地域には政府が用意すべき肥満を防ぐための環境が整っておらず、政府の政策で置き去りにされていることや健康的な食品を売る小売店の率も下がることなどを問題にしている。

 また、社会経済的に低い地域は、住民の学歴が低く、主力産業は農業、製造業、高い地域は住民の学歴も高く、主力産業はサービス業で今後ますます両者の格差は広がっていく。

 コルダー教授は、「これまで肥満改善を個人の意識変革に頼りすぎていた。しかし、個人が意識を変えてもそれを受け入れる環境がないというのが現実だ。これを変えなければならない」と強調している。
■ソース
Obesity rates are rising in Australia, but it’s where you live that matters

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