神経を抜くとは、どんな治療ですか?

ハッと驚く歯のはなし

ハッと驚く歯のはなし

Vol. 19
日ごろ怠りがちなデンタル・ケアや、日々進歩する歯科技術など、歯を健康に保つための秘訣を毎月お伝えします。
Q
 歯が痛くて歯医者に行ったら、 神経を抜かなければいけないと言われました。これはどんな治療ですか?

A
 奥歯には3本あるいはそれ以 上、そのほかの歯にはそれぞれ1本か2本の根が生えています。その根の中心には神経や血管などの歯髄組織が入っている歯髄腔、または根管という空洞があります。虫歯が歯の奥深くに進行するなどが原因で神髄が口腔内細菌に感染すると、根管内に炎症が起こります。炎症が起こると神経を圧迫するのでかなりの痛みを伴います。この歯を救うには、根管治療(または歯内治療)という神髄を取り除く治療しか方法はありません。これが一般に「神経を取る」と呼ばれるものですが、実際には神髄と呼ばれる血管、神経組織の結合組織を取ることになるのです。
 治療の第1段階では、まずファイルと呼ばれる小さな特殊器具を使用し、これを根管に通過させ神髄を取り除きます。こうして清掃を繰り返しながら消毒薬による根管内洗浄を行い、その後抗菌薬を根管に詰め、次回の治療に備え一時的な充填を行います。次段階ではその根管を拡大し、形を整えます。そして最終段階で根管は密閉されます。その後、必要に応じて歯科医師はその歯にクラウン(歯冠)を被せることを薦めるでしょう。
 根管治療は約90〜95%と高い成功率の治療でありながら、日本では欧米諸国に比べてこの根管治療のやり直しが多いと言われています。これには国民健康保険のシステム上、難しい治療でありながら低い点数しか与えられず、医師が十分な治療を行えるだけの報酬を得られないことが理由の1つと言われています。
 根管治療を行わないのであれば、その歯に残される治療方法は抜歯のみとなってしまいます。また、救えるはずの歯に対し抜歯という選択を取ってしまうのは、とても残念なことです。
 根管治療を必要とするまで歯の痛みをがまんするのではなく、根管治療を必要としないためにも、定期的な歯科検診を心がけてください。


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イアン・マラトス
Dr. イアン・マラトス歯科医院

歯科医歴24年。多数の日本人患者の診察・治療経験を持つ。1年間の日本滞在経験もあり、日本語が堪能。日本の歯科事情はもちろんのこと、日本人社会のシステム、日本文化にも深い理解がある

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